今回のレビューを通じて、このALYS開発の主体となったVoxWaveやフランス語圏のボカロPたちの熱心さが伝わってきた。
ALYSのエンジン自体は歌声合成の分野では新参者で、音質面やユーザーインタフェースなど、まだこなれていない部分も多い。特に音符のアラインメントへの取り組みは早急に行う必要がある。音質も、Daisyからかなり向上してはいるものの、比較的よくできたUTAUに近いくらいの印象だ。商用ソフトであるので、今後はさらなる高音質が求められるだろう。
それでも開発会社であるVoxWaveは、フィードバックには積極的に応えていくと話しているので、今後の改善を期待したい。そして、このフランス語版がきっかけとなって、VOCALOID、Sinsy/CeVIO、UTAUなど他の技術でもこの言語圏への対応が積極的に行われるとうれしい。
フランスにはVOCALOIDをはじめとする日本の文化、音楽への関心が非常に高い。Japan ExpoでのVOCALOID紹介や、パリでの初音ミク「The End」オペラ開催など、機運も高まっている。
と、ここまで書いたところで、ミッシェル・ポルナレフの大ファンである軽音サークルの先輩からすごい知らせが。Facebookでわたしが作ったALYSの「愛の休日」カバー曲をポルナレフ自らシェアしてくれたのだという。
本当だった。しかもTwitterでも紹介してくれていた。頭がどうにかなりそうだった。
ポルナレフの曲をラジカセに録音し、その歌詞を必死になってカタカナで書き起こしていた中1の頃の自分にこのことを伝えたい。
ネットは広大だが、意外と近い。そして歌はすばらしい。
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