このピアノロールの左側には、音階が表示されている。ミならばE、ラならばAといった具合に。しかし、ピアノロール最下層の2オクターブに限っては、下はDコードから上はCコードまで表示。ここをタップすると、コードがジャーンと鳴ってしまうのだ。記録上は1音、ワンノートなのだが、コードが鳴る。これを仮に「ワンノートコード」と呼ぶことにしよう。
実は、AUTOPLAY1で自動演奏されるコードストロークにも、この「ワンノートコード」が含まれているのだ。
Appleのヘルプにもない、このワンノートコードとは一体何なのか?
パワーコード。
パワーコードというのは、基音と5度。Cのコードならばドとソ。Gのコードならばソとレ。Smoke On The Waterのイントロでも使われていて、ほとんどのハードロック、ヘビーメタルで重厚なサウンドを出すときに使っているコードである。特徴は、3度がないこと。Cならばミ、Gならばシの音がない。だから、メジャーかマイナーかわからない。
これだけだとCメジャーなのか、Cマイナーなのかわからないから、同じタイミングで、ミ(E)の音を追加することで、Cメジャーの音に響かせる。AUTOPLAY1のギターストロークでは、そんな高度な技を使っているのだ。
Smart Guitarでは、そんなパワーコードを、音の高さごとに2種類持っている。低い方と高い方。低い方は、4-6弦を中心に、高い方は1-3弦を中心にした、速いストローク。ダウン、アップの認識はできないくらい。だから、アップ、ダウン両方に使える。ダウンのときには高い音の構成音を少し遅らせて、アップのときには逆に少し早めにすれば、さらにリアルなジャカジャカにすることができる。
アップストロークのベロシティを抑えめにすれば、さらに本物っぽい弾き方になるだろう。
自分で実際に弾いてみたのよりもAUTOPLAYのほうがカッコよく聞こえるのには、こういう理由があるのだ。
そんなわけで、AUTOPLAY1とAUTOPLAY2を組み合わせただけの、ワンノートコードを多用したSmart Guitarによるバッキングに、ぼくと妻の歌声をかぶせたカバー曲を作例として用意した。「狼と香辛料」のオープニング、清浦夏実「旅の途中」。吉良知彦さんの名曲であることは言うまでもない。
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