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iPhoneガレバン「ワンボタンコード」と「ワンノートコード」の深淵GarageBandオンザラン(5/5 ページ)

» 2016年07月17日 22時00分 公開
[松尾公也ITmedia]
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1つのノートでコードが弾ける、だと?

 このピアノロールの左側には、音階が表示されている。ミならばE、ラならばAといった具合に。しかし、ピアノロール最下層の2オクターブに限っては、下はDコードから上はCコードまで表示。ここをタップすると、コードがジャーンと鳴ってしまうのだ。記録上は1音、ワンノートなのだが、コードが鳴る。これを仮に「ワンノートコード」と呼ぶことにしよう。

 実は、AUTOPLAY1で自動演奏されるコードストロークにも、この「ワンノートコード」が含まれているのだ。

 Appleのヘルプにもない、このワンノートコードとは一体何なのか?

 パワーコード。

 パワーコードというのは、基音と5度。Cのコードならばドとソ。Gのコードならばソとレ。Smoke On The Waterのイントロでも使われていて、ほとんどのハードロック、ヘビーメタルで重厚なサウンドを出すときに使っているコードである。特徴は、3度がないこと。Cならばミ、Gならばシの音がない。だから、メジャーかマイナーかわからない。

 これだけだとCメジャーなのか、Cマイナーなのかわからないから、同じタイミングで、ミ(E)の音を追加することで、Cメジャーの音に響かせる。AUTOPLAY1のギターストロークでは、そんな高度な技を使っているのだ。

 Smart Guitarでは、そんなパワーコードを、音の高さごとに2種類持っている。低い方と高い方。低い方は、4-6弦を中心に、高い方は1-3弦を中心にした、速いストローク。ダウン、アップの認識はできないくらい。だから、アップ、ダウン両方に使える。ダウンのときには高い音の構成音を少し遅らせて、アップのときには逆に少し早めにすれば、さらにリアルなジャカジャカにすることができる。

 アップストロークのベロシティを抑えめにすれば、さらに本物っぽい弾き方になるだろう。

 自分で実際に弾いてみたのよりもAUTOPLAYのほうがカッコよく聞こえるのには、こういう理由があるのだ。

 そんなわけで、AUTOPLAY1とAUTOPLAY2を組み合わせただけの、ワンノートコードを多用したSmart Guitarによるバッキングに、ぼくと妻の歌声をかぶせたカバー曲を作例として用意した。「狼と香辛料」のオープニング、清浦夏実「旅の途中」。吉良知彦さんの名曲であることは言うまでもない。

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