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2017年01月26日 08時00分 UPDATE

“中の人”が明かすパソコン裏話:問い合わせの“電話”が激減でコールセンターが無くなる!? サポート窓口の未来を予測 (1/3)

メーカーの中の人だからこそ知っている“PCづくりの裏話”を明かすこの連載。今回はPCと働き方の未来を考えます。

[白木智幸(日本HP),ITmedia]

 こんにちは、日本HPでPCの製品企画を担当している白木智幸です。この連載では、PCの周辺機器やPCパーツ、機構の仕組みなど、普段は脇役ともいえる部分に光を当て、それらの素晴らしさや製品を選ぶときに気を付けたいポイントを紹介してきました。

 今回は、PCのサポート窓口とその未来に着目したいと思います。PCに限らず、何らかの商品を購入して「使い方が分からない」「壊れてしまった」となってしまったとき、電話やメールによるサポート窓口を利用したことがある方もいるのではないでしょうか。

 商品はなるべく分かりやすく、壊れないようにと考えられているため、購入した全ての人が利用するわけではありませんが、困ったときには重要な窓口となります。

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 実はPCに限らず、製品保証が提供されるほとんどの商品において、ある一定の問い合わせや修理、交換が発生するであろうという試算に基づき、商品の価格に一定の割合でサポートに必要な予算を配分しているのです。

 これによって、いざ困った状況に陥ったとしてもメーカーは適切な支援を提供し、ユーザーはその恩恵を受けられます。

 商品を提供するメーカー側から考えると、単価を抑えつつ、良質な製品を提供し、問い合わせへの対応コスト(人件費、固定費、交換部品など)をいかに最小限に抑えるかが、結果的に高性能で安価な商品を届けるというミッションの達成につながります。

 グローバルで製品を提供し、サポートを提供することを考えた場合、日本だけではなく世界基準でその試算をしなくてはなりません。それゆえに、第7回の連載で触れたような製品の“頑丈さ”なども影響してきます。日本の高温・多湿、北欧の極寒の地、中東の砂漠、さまざまな土地や場所で使われることを想定し、不具合や故障の割合を下げなくてはならないのです。

 そして、矛盾するようですが、いざサポートが必要となった時の“ユーザー体験”は、逆に“高める”必要があります。

 「コストを下げつつ、ユーザー体験は高める」──この難しい課題に取り組んでいる企業の担当者も多いのではないでしょうか。ユーザー体験を向上させるためには、グローバルの画一的な基準だけでは目標到達に程遠くなります。その国の状況にあった「ローカライズ」が重要となるのです

SNSやLINEが普及し、電話をする人がドンドン減っている!?

 皆さんは、過去1カ月にどのくらいの電話をしましたか? 私の発着信履歴にカウントされた電話の件数を数えると、直近3カ月で平均18.3件でした。その中には会社の携帯が見つからないので発信したり、不在着信で複数回着信したものを含むので、実際には月に10件前後です。

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 皆さんもSNSやLINEのようなテキストベースのコミュニケーションを使うことが増え、電話をする機会が減っている事を実感されている方も多いと思います。実は、主なサポート窓口であるコールセンターでも、電話の件数そのものは減少傾向です。

 その代わりにメール(Webフォーム)やチャット、そして「LINE」でのサポートが伸びています。これは、単にテキストベースのやりとりが流行っているからではなく、何か“理由”がありそうです。

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