現在のAIは、既に起きた事象やあらかじめ定義されたものの中から答えを導き出すことに優れるディープラーニングといった技術が主流です。残念ながら、いまのところは未知の現象に対して調査、判断し、答えを出すというところまでは到達できていないようです。遠い未来はどうなるか予測もできませんが、少なくとも数年というスパンでは、AIが人間の仕事を取って代わるということはなさそうです。
サポート窓口には、すぐに答えられない新たな現象や、解決策がすぐには見つからない未知の現象についての問い合わせが来るケースがあります。
この場合は、十分にヒアリングを重ね、実物の検証環境でお客さまと同じ状況を作り、確認して再現するなどを行います。場合によっては、自社研究機関のエンジニアにレポートし、計測器や精密な検査機器を利用して、問題の炙り出しを行うケースもあります。
多くの企業で行っているように、私の所属する会社でもサポート窓口に頂く問い合わせ内容はデータベースに記録され、次に類似する症例に遭われたお客さまがGoogleなどの検索エンジンを用いてご自身で情報を見つけられるように、Webサイト上で参照できるようにしています。
コールセンターは営業時間が限られていることが多いので、例えば夜間にトラブルに遭遇した場合、コールセンターならば翌日を待つ必要がありますが、Webサイトであれば、24時間いつでも情報にアクセスできます。
このような情報はサポート窓口の応対システムにも登録されているので、電話やメール、チャット、LINEでの問い合わせに対する回答を作成する際にも活用されています。
なるべくなら、使わなくて済むほうがいいサポート窓口ですが、いざ必要となったときに、いかに早くお客さまが問題を解決できるかにバランスよく取り組むことで、結果的に安価で質の高い商品をお届けすることに寄与できるのです。
著者:白木智幸(しろき・ともゆき)
日本HPPC&タブレットエバンジェリスト。パーソナルシステムズ事業本部に所属し、法人向けタブレット製品のプロダクトマネージャ(製品企画)とビジネスプラン(販売計画)を担当。PCやタブレットの楽しさや素晴らしさを広くお伝えすることを通じ、グローバル化の進む現代でよりよい働き方を実現するためのエッセンスを提供することがテーマ。
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