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自転車泥棒、追い詰めた執念……「ヤフオク!」のアラートで追跡、Facebookで本人特定(3/4 ページ)

» 2017年02月21日 09時53分 公開
[岡田有花ITmedia]

ついに落札 GoogleマップとFacebookで“犯人”追跡

 オークション終了直前。入札は20件近くあり、価格が高騰していく。負けじと入札を続け、11万7000円で落札に成功した。

画像 実際の落札画面

 落札直後、出品者から住所・氏名が届いた。犯人は何者なのか――2人で手分けして調べた。住所は都内。池袋から自転車で行ける距離だ。Googleマップで検索したところ、戸建てのようだ。出品物の写真は、その100メートル先のマンションの前で撮ったものらしい。氏名をFacebookで検索すると本人らしき男を発見。ロードバイクに関する投稿もある。その妻と思われるアカウントも分かったが、それ以上の手がかりはつかめなかった。

 数日後。落札した自転車が届いた。間違いなく盗まれたものだった。パーツは替えられ、盗まれた当時よりグレードアップしていたが、傷の位置やカーボンの模様もまったく同じ。ただ、自転車本体に刻まれている「車体番号」が、別のものに張り替えられていた。自転車盗難に関する口コミサイト「自転車特捜24時」で車体番号を検索してみたところ、その番号の付いていた自転車も池袋で盗まれたものだと発覚。サイト管理人を通じてその人に連絡し、情報交換した。

画像 自転車の写真やオークションの画面などさまざまな資料をプリントアウトして警察に見せ、相談していた

 「彼が犯人に間違いないと思います」――落札した自転車と出品者の情報、Facebookの情報などをまとめて池袋署に届けた。受け取った担当者は「調べます」と言ったものの、何カ月も音沙汰はなく、預けた自転車も返ってこなかった。しびれを切らして警視庁のWebサイトのフォームからも出品者の男の情報を提供したところ、署の担当者から電話があり、「そういうことは困る」と怒られたという。

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