「CiNiiから論文が消えた」 研究者に困惑広がる
「CiNiiから論文が消えた」――こんな声がここ数日、Twitterで広がっている。学術情報データベース「CiNii」(サイニー)に掲載されていた論文のPDFファイルの多くが非公開になり、研究者や学生が困惑しているのだ。
CiNiiは、国立情報学研究所(NII)が運営している、論文などの学術情報で検索できるデータベースサービス。1997年以降、紙の論文を電子化し、CiNii上でPDFデータを無料公開する「電子図書館事業」(NII-ELS)を進めており、430万論文を電子化・公開してきた。
だが、NII-ELSが17年3月で終了し、国からの支援が途絶えた。国は、論文の電子化支援について、科学技術振興機構が運営する「J-STAGE」に一本化する方針で、CiNiiの掲載論文もJ-STAGEなどに移行するよう各学会に推奨した。
これを受けCiNiiは、17年3月28日に論文PDFの公開を停止した。だが、J-STAGEへの移行作業は遅れており、多くの論文が移行できないままこの日を迎えてしまった。移行作業は各学会に任されおり、学会によって“移行度”にばらつきがある状態だ(学会誌の移行先と移行準備年度一覧)(紀要の移行先一覧)。
移行が間に合わなかった論文は同日以降、CiNiiから消え、J-STAGEにも載っていない状態で、「オンラインから消え」ている。移行が完了した論文は、CiNiiの検索結果からJ-STAGEにリンクを張る形でたどれるようになっている。J-STAGEを運営する科学技術振興機構は、「既に移行申請を受け付けた論文は、2017年度内に移行を完了する」と話している。
NIIの大向一輝准教授は「各機関と連携しながら移行状況に関する情報発信を進めたい。今回、移行対象となっている論文は各大学図書館で所蔵されている場合もあるので相談してみてほしい」と話している。
CiNiiは4月以降、「ユーザの発見をサポートするサービス」としてリニューアル。論文本文のPDF提供は終了したが、論文検索機能などは維持する。
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