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2017年04月25日 16時40分 UPDATE

SNSは「友人の死」の痛みを和らげる――米研究

ソーシャルネットワークは「友人との死別」という痛みをいくらか和らげるのに役立っているかもしれない。

[井上輝一,ITmedia]

 親しい友人との死別は、何ものにも変えられない喪失を人にもたらす。ソーシャルネットワークはその痛みをいくらか和らげるのに役立っているかもしれない。

 米カリフォルニア大学サンディエゴ校で社会科学を研究するウィリアム・R・ホッブスさんと米Facebookのモイラ・K・バークさんは、「友人との死別後、ソーシャルネットワークとつながることによる回復」(原題:Connective recovery in social networks after the death of a friend)と題した論文を、英国の学術雑誌「Nature」の姉妹誌「Nature human behaviour」に発表した。

死別前後の故人周辺のネットワーク(画像は論文より)。水色の丸が亡くなった人。死別後、元から友人関係だった1と3は関係をより強くし、直接面識のなかった2と3も短期間ながら強い関係を結ぶ

 この研究では、「ソーシャルネットワークが親友の死別による喪失を埋めることができるのか」という問題設定で、Facebook上で共通の知人の死別を経験した約1万5000グループのネットワークを、個人を特定しない形で解析した。

 予想通り、友人の死によってユーザー間の交流は相当量失われたが、故人の友人同士はすぐに交流を増やし、死別から少なくとも2年間それを維持していた。これは全世代を通して見られたが、特に18歳から24歳の若い世代に顕著だったという。

親友同士の交流は死の直後にピークとなり、1年ほどで安定期になる。知人もピークは同様だが3カ月ほどで安定する

 一方で、死因が自殺の場合、ソーシャルネットワーク上での交流が生前と比べて減少しているとも報告している。

図中のdが死因別の交流量の変化。がんや事故では交流が増えているのに対し、自殺では交流が生前に比べて減少しているのが分かる

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