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ハウステンボス、スマホゲーム参入 リアル園内企画と連動「来園者増につなげる」

» 2017年04月26日 11時47分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 テーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)を運営するハウステンボスは4月26日、スマートフォン向けゲームアプリ「エアリアルレジェンズ」(iOS/Android)を近日公開すると発表した。同社がゲームアプリを開発するのは初めて。ハウステンボスの世界観を反映し、敵の拠点を攻め落とすタワーオフェンス型ゲームという。園内の企画やイベントと連動し、来園者の増加につなげる。基本プレイ無料(アイテム課金制)。

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 アプリ制作会社のグッドラックスリー(福岡市)と共同開発した。プレイヤーは、押し寄せる敵から自分の拠点を守りつつ、育成したキャラクターを出撃させ、相手の拠点を攻め落とすことを目指す。マップ画面は、ハウステンボスの園内がそのままモチーフに。バトルシーンの背景は、ハウステンボスの街並みが描かれている。

 登場キャラクターは100体以上を用意。同社によれば「全てのキャラクターの世界観・設定を作り込み、アニメや漫画などのスピンオフ作品展開ができるほど」という。「従来のゲームアプリのように、キャラクターの“量産や使い捨て”をしていては、個々のキャラクターの人気が出ない」(同社)。

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 ゲーム音楽は、アニメ「鋼の錬金術師」などの音楽を手掛けた大島ミチルさんが担当。キャラクターボイスは、声優の悠木碧さんなど「豪華声優陣をそろえた」という。

 グッドラックスリーの井上和久CEOは「ハウステンボスのゲームアプリというと、平和な街並みを想像されるかもしれないが、そんなイメージとは異なり、日本・世界の最前線で戦える内容」と自信を見せる。

photophoto ハウステンボスが舞台
photophoto キャラクターは100種類以上

園内企画と連動 「数%ずつ来園者の増加につなげたい」

 ハウステンボスは、2014年から園内に「ゲームの王国」を展開。VR(仮想現実)技術やプロジェクションマッピングを使ったアトラクションなどを用意し、「連日、行列ができるほど好評」という。「東京ディズニーランドでも、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも楽しめない独自のコンテンツを用意することで、遠方から来園者を集めている」(同社)。

 新作ゲームは、ハウステンボスが園内で行うリアル企画と連動。アプリが100万ダウンロードを達成すれば園内で花火を打ち上げる、1000万ダウンロードを超えたらゲーム内に登場する「大砲船」をアトラクションとして設置する――などを企画している。

 ハウステンボスの澤田秀雄社長は「本来、開発期間は2年間の予定だったが、3年もかかった問題作。それだけ費用がかさんだが、こだわった」という。

 澤田社長は「これまでテーマパークと連動したゲームはない。VRアトラクションやゲームアプリなど、最先端の取り組みを積み重ねることで、数%ずつ来園者の増加につなげたい」とも。「昨年4月の熊本地震で来園者がやや伸び悩んだが、持ち直している。海外でもアプリを公開し、訪日外国人の来園にもつなげたい」(澤田社長)。

photo 左からハウステンボスの澤田秀雄社長、グッドラックスリーの井上和久CEO

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