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資金難の老舗図書館、クラウドファンディングで支援募る 大宅壮一文庫

» 2017年05月19日 15時20分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 公益財団法人大宅壮一文庫が運営する雑誌専門の図書館「大宅壮一文庫」(東京都世田谷区)の運営資金を募るクラウドファンディングが5月18日、「Readyfor」で始まった。資金難で「雑誌を後世に残すことが難しくなった。時代を超えて雑文を手にする喜びを残していきたい」と、プロジェクトを立ち上げたという。

photo 雑誌専門の図書館「大宅壮一文庫」(東京都世田谷区)
photo 評論家・大宅壮一さん

 大宅壮一文庫は、評論家・大宅壮一さんが亡くなった翌年の1971年に設立。大宅さんが所有していた雑誌コレクション約17万冊を引き継ぎ、日本初の雑誌専門図書館として現在は約1万タイトル、約78万冊を所蔵しているという。

 プロジェクトの目標額は500万円。19日15時現在では、293人の支援者を集め、支援総額は367万を超えた。支援は3000円から。1万円のコースでは、1カ月分の入館料が免除されるなどの特典もある。

 集まった資金は、事務局職員の給与や施設、備品の補修、購入、実施中の雑誌記事索引データベースシステム改修費、維持運営費に使うという。

 プロジェクトを立ち上げた大宅壮一文庫事務局の鴨志田浩さんは、クラウドファンディングのページで「ネットの普及により、図書館に訪れる人が減少。従来通りの運営が難しくなった」と説明する。

 「全体の利用者数が著しく減少したわけではないが、来館者数と雑誌記事索引データベース 『Web OYA-bunko』の利用者が逆転し、実際の来館よりもさまざまな場所からのアクセスが増えた。見学いただいた方が圧倒されるほどの雑誌(約78万冊)を保存する場所を残していくためにも、皆さまからの温かいご支援をお待ちしている」(鴨志田さん)

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