ITmedia NEWS > 科学・テクノロジー >

pixivのR-18小説を「有害な文」 学会が論文取り下げ 「検討するため」

» 2017年05月25日 18時28分 公開
[井上輝一ITmedia]

 立命館大学の学生が「2017年度 人工知能学会全国大会」で5月24日に発表し、公式Webサイト上に掲載されていた論文を、同学会が25日朝に公開中止した。論文では「青少年にとって有害な文」として作品投稿サイト「pixiv」のR-18指定小説を名指ししており、ネット上で問題視する声が上がっていた。

公開を中止した論文(追記:著者名はリンク先で確認する形としました)

 公開を中止したのは、立命館大学・同大学院の学生が発表した「ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻(わいせつ)な表現のフィルタリング」という論文。

 内容は「暗喩を用いて表現されている有害な文」に対してフィルタリングを行う手法の提案だが、その中で、pixivに掲載されているR-18指定の小説を、作品URLと作者名を挙げて引用していた。ネットユーザーからは「有害のレッテル貼り」「ログインしないと読めない形でゾーニングしているのに」「このような取り上げられ方では表現者が萎縮する」などの声が上がっていた。

 人工知能学会の担当者はITmedia NEWSの取材に対し、「検討するため、いったん非公開とした」とメールで応じた。現在までにそれ以上のコメントは明かしていない。

 立命館大学の広報課は「現在、正確な事実確認に努めている」という。

 pixivは公式Twitterで「論文の発表元である立命館大学に対し、経緯と事実関係の確認および対象ユーザーとの問題解決を要請しております。皆様がより安心してpixivを利用できるよう、引き続き本件への対応を進めてまいります」と記している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.