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ドラゴンの炎でゲームコントローラーが熱く 「温度」「痛み」再現するデバイス(動画あり)東京ゲームショウ2017

» 2017年09月22日 11時11分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 VR(仮想現実)のように「実際に体験している」感覚を得られるゲームをプレイしていて、物足りないと感じることはないだろうか。太陽が照りつけているのに暑くない、冷えている缶を持ったはずなのに冷たくない――そんな“触覚の壁”を取り払うようなデバイスが、東京ゲームショウ2017(千葉・幕張メッセ、9月21〜24日)に登場した。韓国のスタートアップ、TEGwayが開発した「ThermoReal」だ。

photo TERMO REAL

 Thermo Realは、柔軟性のある薄型の熱伝導モジュールを利用したデバイス。熱と電気を変換する素子(熱電変換素子)を組み込んでいる。モジュールを貼り付けたコントローラーを握ってゲームをプレイすると、映像に合わせてモジュールが熱くなったり冷たくなったりする。熱さと冷たさを同時出力すれば、つねられたような痛みを疑似体験することも可能だ。

photo モジュールをシールなどで貼り付けてある
photo 感じられる感覚のタイプ

 記者が体験してみたところ、ドラゴンの吐く炎を受け、思わず手から離してしまうほどコントローラーが熱くなった。一方、雪道のシーンではすぐに冷たくなったり、敵から攻撃を受けるとぎゅっとつままれたような痛みが走ったりと、各場面をよりリアルに感じることができた。

動画が取得できませんでした
場面と連動した温度や痛みを体験できる

 「これまでVRは映像や音(聴覚や視覚)しか体験できなかったが、それだけでは物足りない。よりリアルな感覚を再現するために、熱や冷たさを与えた」(同社)。発生する熱は40度程度でやけどの心配はないという。

 熱電モジュールに柔軟性を持たせたことで、ゲームコントローラーの曲面などにも取り付けられるようにした。

 VRゲーム以外にも、さまざまな分野で活用を見込む。教育現場では、やけどの恐れがあるものを再現し、疑似的に触れてもらうことで注意を促す。消防士の訓練に使ったり、服に縫い付けて温度を調節したりといった利用シーンも想定している。「イベントをきっかけに、たくさんの人にモジュールのことを知ってもらえれば」(同社)

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