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ソシャゲ絶頂と凋落の象徴? ポケラボの純損失11億円「NOKIZAL」決算ピックアップ

» 2017年10月02日 09時28分 公開
[NOKIZALITmedia]

(編集部注)本記事は、執筆時に公開されていた決算公告に基づいたものです。

 スマートフォンゲームなどを開発するポケラボ(東京都港区)が9月29日、官報に掲載した決算公告(2017年6月30日現在)によれば、当期純損失は11億4700万円の赤字(前年同期は1億3600万円の赤字)、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は17億3300万円の赤字(同5億8500万円の赤字)だった。

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 ポケラボは07年設立。創業当初は携帯電話向けのソーシャルブックマークサービスを運営していたが、09年にゲーム開発に乗り出すと、「サムライ戦記」「やきゅとも!」など当時の人気ソーシャルゲームを連発。10年にはDCMやインキュベイトファンドから、当時としては破格の10億円を資金調達するなど、流行し始めていた「カードゲーム型」ソーシャルゲームでトップクラスのディベロッパーとして他社と共にブームをけん引した。

 スマホシフトが急速に進み出した12年ごろになると、スマホ向けにリソースを集中。ネイティブアプリでも「運命のクランバトル」「三国INFINITY」など、運営する5タイトルのうち、4タイトルがリリース後にApp Store売上ランキングで20位以内に入るなど好調だった。その開発力を評価したグリーが138億円で買収。グリーは本格的なスマホシフトに向け、ネイティブアプリの開発力強化が急務だった。

 しかし買収された翌年の13年こそ、売上を14億円から60億円に大きく伸ばしたものの、14年以降、スマホゲームのトレンドが主力だったカードバトル型から他に移ると、売上は46億円(14年)、20億円(15年)と下落。最終利益も買収前の資金調達以後は一度も黒字転換しないまま、15年にはグリーがほぼ買収額に近い130億円の評価損を計上した

 その後、16年に20億円の売上のうち13億円を占めていた主力タイトル「戦乱のサムライキングダム」と「三国INFINITY」を、ゲーム再生を手掛けるマイネットに2.5億円で譲渡し、新規タイトルの開発に注力している。

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ここがポイント

 まさにソシャゲブームの絶頂と凋落(ちょうらく)を見るかのようなポケラボの歴史。今回の決算公告でも、純損失11億円、流動資産17億円に対し流動負債が33億円とかなり厳しそうな数字が並んでいます。ただ、17年6月にスクウェア・エニックスと組んだ「SINoALICE」(シノアリス)が事前登録者数50万人を突破。ブシロードと組んだ「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」は事前登録者数30万人超でリリースしているため、結果次第で来期は好転するかもしれません。

photo 「SINoALICE」公式サイトより

 とはいえ、SINoALICEが不具合で「わび石1000個」を配布しているのを見ると、グリー同様、レッドオーシャンと化したスマホゲームの中で勝ち残るかは、予断を許さない状況といえそうです。

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《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。

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