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SpaceX、火星コロニー計画の現状と、新ロケット「BFR」による都市間移動サービスを発表

» 2017年10月02日 09時47分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米SpaceXのイーロン・マスクCEOは9月28日(現地時間)、オーストラリアのアデレードで開催の国際宇宙会議(IAC)で、昨年のIACで発表した「Making Humans a Multiplanetary Species(人類を“多惑星種”にする)」取り組みの進捗と新たな計画を発表した。

 musk 1 IACで講演するイーロン・マスクCEO

 同社はITS(惑星間輸送システム)として昨年発表したものよりやや小型の新ロケット「BFR」を開発しているという。

 musk 2 新しいITSのロケット「BFR」

 BFR建設のため、従来の「Falcon 9」などのロケットの開発リソースを集中させるとしている。開発コストは膨大だが、ブースター部分も宇宙船部分も完全に再利用可能になり、コストが大幅に削減できる見込みだ。

 musk 3 BFRは再利用可能

 昨年は火星への有人航行目標を2022年としていたが、これを2024年とした。2022年には貨物輸送を実現させたいとしている。

 musk 4

 マスク氏は、このBFRを使った地球上での都市間移動サービス構想も発表した。例えば東京・ロサンゼルス間を32分で移動できるとしている。直行便の飛行機では約10時間かかる。


 宇宙船部分には40のキャビン(客室)があり、これらのキャビンは「AirbusのA380(キャビンが豪華なことで知られる)よりグレート」という。

 musk 5 BFRの内部(ペイロード部分)

 料金については、マスク氏が自身のInstagramで「(講演では)言うのを忘れたけど、フライト料金は旅客機のエコノミークラスと同じくらいだよ」としている。


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