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話題の「無線LANケーブル」は実在する明日から使えるITトリビア(2/2 ページ)

» 2017年10月17日 08時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]
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 東芝テックが販売している「ARESPO」(エリスポ)という無線LAN構築システムは、「漏洩(ろうえい)同軸ケーブル」(LCX)と呼ばれるケーブルを使用している。無線LANルーターから発せられるWi-Fiの信号を、長いケーブルを通して遠くに伝達しつつ、同時に等間隔でケーブルに開けられた穴から電波をわざと漏らし、ケーブル付近で電波の送受信が行える機能を持たせたものだ。

photo 漏洩同軸ケーブルはケーブル状のアンテナだ(東芝テックのARESPOシリーズから引用
photo こちらはバッファローが単体で発売している屋内用ケーブル型アンテナ「WLE-LCXシリーズ」 。価格は10メートルで9万3334円(税別)から

 ケーブルに沿って細長い局地的な通信エリアを構築できるため、オフィスの一角や会議室にある特定の机の上だけで接続できる狭い通信エリアの無線LAN環境を構築可能。室内の電波干渉や壁の反射を抑え、安定した通信も期待できるという。

photo 地下鉄のトンネル内にも設置されている(東芝テックのARESPOシリーズから引用

 漏洩同軸ケーブルは電波の届きにくい空間で無線環境を構築するために利用されることも多いケーブルの一種。長距離に対応するモデルを活用すれば、1つのアクセスポイントで最長680メートルまでカバーできるようだ。地下鉄のトンネルを走行する電車内で携帯電話の通信が利用できるのも、トンネル内に張り巡らされたケーブルから漏れる電波が車窓から入り込むおかげだ。

 実は身近なところで活躍している“無線LANケーブル”ならぬ、“漏洩同軸ケーブル”だった。

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