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» 2017年10月25日 18時30分 公開

東京モーターショー2017:クラウドと「人」につながるクルマ目指す――三菱電機「EMIRAI4」の挑戦

三菱電機が、電動化や自動運転に対応したコンセプトカー「EMIRAI4」を東京モーターショーに出展。自動車メーカーではない同社が「未来のクルマ」を出す理由とは。

[村田朱梨,ITmedia]

 三菱電機は10月25日、自動運転技術を備えるコンセプトカー「EMIRAI4」(イーミライフォー)を「東京モーターショー2017」(25〜26日はプレスデー、27日から一般公開)に出展した。従来のEMIRAIシリーズと異なり、電動化して自動運転にも対応。クラウドと接続可能なコネクテッドカーでもあるという。どんな機能を備えるのか。一足早く体験してきた。

photo 「EMIRAI4」

 クルマに乗ろうと近づくと、地面に南京錠のシルエットが表示され、その上に立ち止まるとドアが開く。乗り込むとクルマに搭載されたカメラが顔を認証し、クラウドにアクセス。あらかじめ登録したドライバー情報などからスケジュールを確認・調整してくれるという。体験版のデモンストレーションでは、助手席に座った人と予定を擦り合わせ「ランチはいかがですか?」と、おすすめの店をディスプレイにリストアップしてくれた。

photo 誰が乗っているのかクルマが認証
photo 表示されたおすすめのお店一覧

 ディスプレイは運転席と助手席の間にあり、画面上に取り付けられたノブを左右に動かしたり回転させたりして操作する。指でのタッチ操作も可能。選んだ店を予約して目的地として設定し、経路を表示してくれる。

 デモンストレーションでは、自動運転と手動運転の切り替えも体験可能。自動運転から手動運転へ切り替える際には、ドライバーが運転できる状態になっているか、カメラが顔の向きや姿勢を検知。居眠りや脇見をしていないと確認できた状態でハンドルを握ると、手動運転に切り替わるようになっている。

 また、運転席の前方にはヘッドアップディスプレイを搭載。雪で道路が凍ったり霧が発生したりといった道路が見にくい状況でも、AR(拡張現実)で進むべき道路や車線を表示してくれるという。

 しかし、同社は普段クルマ本体ではなく、車載向け機器などを作っている。なぜこうした「未来のクルマ」を作ったのか。

 開発を担当した渡部秀雄さん(三菱電機 自動車機器開発センター 開発第2部長)は「さまざまな技術が社内で出そろって、それが線でつながり、クルマの形にすることができた。クルマに搭載される機器は、体験していただかないとよく分からないものが多いので、実際に使ってもらうことで認知してもらいたい」と話す。

 EMIRAI4は、同社が展開するコンセプトカー「EMIRAI」シリーズの4台目。EMIRAI3までと違い、電動化・自動化・コネクテッド(クラウドとの接続)といった「未来のクルマ」の技術に対応しているという。しかし渡部さんは「一番の特徴は“人”とつながること」と話す。

 「世の中で今“コネクテッド”といえばクラウドに接続することで、われわれも当然それを意識しているが、もっと広い意味でのコネクテッド――人とのコミュニケーションも大切だと思っている」(渡部さん)

 EMIRAI4ではドライバーとクルマが対話できるだけでなく、ドアが開くときには路面に光で図形を描いて周囲に知らせてくれる。自動運転から手動運転に切り替えると、助手席前方の光は青から緑に変わり、車体後方に表示されていた「AUTONOMOUS」の文字も「MANUAL」に切り替わる。

photo 運転を切り替えると表示も変わる

 しかし、EMIRAI4はあくまで三菱電機の技術を体験してもらうためのもので、実用化する予定はないという。

 「クルマそのものを作ることではなく、“未来のクルマを作りませんか”と提案し、クルマのための技術を渡すことが私たちの仕事。人とのつながりを1つのキーワードに、クルマの技術はどんどん広がっていく。われわれとしても、いろいろな技術をどんどん開発していきたい」(渡部さん)

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