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中小向けに「Microsoft 365」廉価版 LTE対応「Surface Pro」とセットで「働き方改革」推進

» 2017年11月01日 20時55分 公開
[村上万純ITmedia]

 日本マイクロソフトは11月1日、中堅・中小企業向けのサブスクリプション型サービス「Microsoft 365 Business」の提供を日本で開始した。価格は1ユーザー当たり月額2180円(税別)。同日にはLTE対応「Surface Pro」の日本発売の詳細も発表しており、デバイスとツールの両面から、企業の「働き方改革」を推進する狙いだ。

マイクロソフト 日本マイクロソフトの三上智子本部長(業務執行役員 Windows&デバイス ビジネス本部、写真=中央)
マイクロソフト 「Microsoft 365 Business」

 Microsoft 365 Businessは「Windows 10 Pro」「Office 365 Business Premium」「Enterprise Mobility + Security」で構成。OSのライセンス、「Word」「Excel」「PowerPoint」などのOffice製品や、ビジネス版「Skype」などのコミュニケーションツール、セキュリティ対策、管理ツールなど、ビジネスユーザーに必要なサービスを全てワンセットで用意する。

 8月から大企業向けに「Microsoft 365 Enterprise」(1ユーザーあたり月額6220円)を提供していたが、従業員300人以下の中小企業向けに機能を絞り、価格も抑えた。日本マイクロソフトの三上智子本部長(業務執行役員 Windows&デバイス ビジネス本部)は、「働き方について、日本企業が抱える課題はまだまだ多い。中小企業から手頃な価格でMicrosoft 365を使いたいという声は多かった」と話す。

マイクロソフト コミュニケーションツールの「Microsoft Teams」

 マイクロソフトリサーチアジアなどの調査によると、自身が働く環境への認識について、日本は中国などアジア諸国と比べ満足度が低いという。具体的には「非常に高い生産性を発揮できている」(日本9%、アジア49%)、「組織内外で非常に協力的な関係を確立している」(日本11%、アジア48%)、「いつでもどこでも柔軟に働ける」(日本6%、アジア46%)などの項目でアジア全体と比べ低い水準となった。

マイクロソフト

 また、日本の労働環境についても「1週間のうち、1日以上オフィス外で働く」(日本41%、アジア71%)、「個人のスマートフォンを使って仕事をしている」(日本35%、アジア75%)などの項目で自由度の低さが目立った。三上本部長は「働き方改革で真っ先に挙げられるテレワークも浸透しているとはいえない」と話す。

マイクロソフト

 「日本に380万社あるといわれる中堅・中小企業の多くは、ITに詳しい人材の不足や、IT活用が進んでいないことに課題を感じている。Windows 7やOffice 2010のサポート終了に向け、最新環境に切り替えてもらう狙いもある」(三上本部長)

試験導入した企業の満足度は?

 同サービスは既にプレビュー版を公開しており、ケルク電子システム、オプナムコーポレーション、FiNCといった企業が試験導入している。そこからは「ITリソースが十分でない中小企業でも容易に管理できる」(ケルク電子)、「Officeのバージョンがユーザーによって違ったり、Windows 7のPCが複数台残っていたりしたが、最新環境への移行が簡単にできる」(オプナム)といった声が上がっていた。

 ヘルスケアアプリなどを提供するFiNCの小島かおり本部長(取締役 最高情報セキュリティ管理者 情報システム本部)は、「2012年設立で従業員244人の若い会社なので、まさに働き方改革を進めている最中。ヘルスケアデータを扱うのでセキュリティはとても重要だが、社員のデバイス管理からコミュニケーションまで簡単に一元管理できるのはありがたい」と語った。

マイクロソフト 使いやすさを重視した管理画面

 三上本部長は「(Windows 7とOffice 2010がサービス終了する)2020年に向け、さらに働き方改革を推進していく」とした。

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