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» 2017年11月13日 10時00分 公開

自腹切っても「楽しいから」……アキバで“流通”する仮想通貨「モナコイン」の謎 (3/4)

[岡田有花,ITmedia]

 「モナコインの広告を出したら面白い」と、仲間内のSlackで盛り上がったことがきっかけ。動画制作や声優のアレンジ、配信の手配はにゃんたろうさんが請け負った。にゃんたろうさんはCM製作のため、わざわざMacbookを購入したが、Macを使うのは初めてで操作も分からず「心が折れそうになった」と笑う。

 実際にCMが流れると、多くのモナコイナーが秋葉原を訪問。CMの写真や動画を撮ってTwitterなどにアップし、「本当に流れた!」と盛り上がった。

 田中さんが投じた130万円は、一般の人にとっては大金だが、「僕、お金持ちなんで」と涼しい顔だ。ビットコイン投資などで財を成しており、懐はそれほど痛くないという。「来年はもっと大規模なことをやりたい」と意気込んでいる。

 「モナコインは、名前も変だし、ネットではバカにされることもある“おもちゃ”だけど、おもちゃが広がったら面白い。モナコインがいっぱい売買に使われ、送金されてたら笑える。『モナコインっていうのがいま流行ってて〜』なんて女子高生が言って使ったりしたら、面白いじゃないですか」(田中さん)

1枚1000円のコイン、タダで240枚配る人

 10月末の秋葉原にはほかにも、「自腹を切るモナコイナー」がいた。10月28日、モナコインをイメージしたキャラクターイラスト入りの金銀のコインを240枚も気前よく配っていたのは、そばちょくさん(61・男性)だ。Ask Monaで配布を告知し、訪れた100人以上のモナコイナーに2枚セットでプレゼントした。

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 「本物のコインが欲しくて、自分で作ろうと思った」――これまで3回にわたってコインを作り、無償で配ってきた。製作原価は1枚1000円以上。かけた費用は累計約80万円。今回、想定以上の人数が集まり、用意したコインが足りなくなったが、「追加製作し、欲しい人全員に無償で郵送提供する」と申し出ている。

 なぜ、自腹を切ってそこまでするのか。「モナコインで仲間ができて楽しい」ことが1つの理由だ。それ以上に、「モナコインを世界に普及させたい」と本気で夢見ており、普及活動の一環としてコインを配ってきたという。

画像 この日、そばちょくさんが配ったのは、金銀のモナコイン2枚と、北海道のモナコイナー「もな雀」さんから無償提供を受けたモナコインロゴ入りライターだ。コインに描かれた「モナコインちゃん」のイラストは、モナコイナーの「あるひ」さんから提供を受けた。コインに彫り込んむ文字をどうするかは、Ask Monaでモナコイナー達に相談して決めた

 2013年にビットコインを知り「衝撃を受けた」。「通貨は国家が発行するもの」という常識を覆し、運営主体がなく、P2Pで動く新たな通貨に「大きな魅力を感じた」という。

 モナコインもビットコイン同様、P2P型の仮想通貨だ。「秋葉原の広告もモナコイン神社も、政府や大企業ではなく、1人1人の個人が参加してうまくいっている。すばらしいと思う。モナコインがビットコインに匹敵するような大きな存在になってほしい」(そばちょくさん)

 自前のPCでビットコインやモナコインのマイニングを行ってきた。ビットコインは売ることもあるが、モナコインは値上がりしても売らないつもりだ。「売ったら寂しいじゃないですか」

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