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» 2018年01月15日 18時36分 公開

変わった家具とIoTセンサーが仕事を生み出す ヤフーとNEOが共同実験

ヤフーとNEOが公開実験「“はたらく”のつなぎかた」をスタート。コラボレーションスペース「LODGE」に出入りするさまざまな業種の人たちが交流するきっかけを作る。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 ヤフーは1月15日、京都工芸繊維大学新世代クリエイティブシティ研究センター(NEO)と共同で、公開実験「“はたらく”のつなぎかた」を開始した。ヤフー社内にあるコラボレーションスペース「LODGE」(ロッジ)にNEOが開発したユニークなオフィス家具を設置する他、IoT(Internet of Things)センサーでオフィス内の環境を可視化。LODGEに出入りするさまざまな業種の人たちが交流するきっかけを作る。

「東京ガーデンテラス」18階にある「LODGE」

 LODGEは、ヤフー本社が入居する「東京ガーデンテラス」(東京、紀尾井町)の18階に2016年11月に開設した「オープンコラボレーションスペース」だ。地下鉄の赤坂見附駅や永田町駅に近い好立地にある約1330平方メートルのオフィス空間をワークスペースやイベントスペースとして無料解放し(18年1月時点、3月以降は検討中)、新たな事業やサービスにつながるイノベーションの創出を目指している。

 LODGEのサービスマネジャーを務める植田裕司部長(ヤフー、スマートデバイス本部 コワーク推進部)によると、「スタートアップを含む企業の方々をはじめ、フリーランスの方、学生さんなど毎日300人程度が利用し、ヤフーのコミュニケーター(スタッフ)が仲介していくつものプロジェクトが立ち上がった」という。過去1年間の累計利用者数は10万7000人を超え、大小650件のイベントを実施した。

LODGEのサービスマネジャーを務める植田裕司部長

 「オープンイノベーションとは、困った時に臆面もなく他者の力を借りること。LODGEを通じ、社会にオープンイノベーションマインドをインストールしたい」(植田部長)

“つながる”仕掛けを実験

 NEOと共同で行う公開実験の目的は、オープンイノベーションの前段階となる“人と人との交流”を促すアイデアの実践だ。積極的に交流したい人は「声をかけてもOK」を示すバッジを着用し、自己紹介カードを記入する。イベント時にはテーブルに「農業/食糧問題」や「つながり/シェアリング」といった話題のアイコンシールを貼り、関心のある人を集める。

 京都工芸繊維大学の学生たちが考案したユニークなオフィス家具も設置する。雲の形をした半透明のパーティションや穴の空いたホワイトボードは、参加者や議論の内容が垣間見えることで声をかけるきっかけになるという。また複雑な形状をしたソファも話題作りに役立つ。空間デザインの面から参加者の交流を促す狙いがある。

穴の空いたホワイトボードや半透明のパーティションは京都工芸繊維大学の学生がアイデアを出したもの
複雑な形状をしたソファ。意外な姿勢が周囲の人達との交流を促すという

 LODGE内には各種センサーを設置し、温度や湿度、騒音、照度を計測、モニターにリアルタイム表示して環境を可視化する。「人が多く賑わっている場所を探す、逆に1人で集中できる場所を探すといったように状況に合わせて利用者が行動を決められる」という。モニターが設置されるのは、これまであまり使われていなかったという、複数人がゆったりと座れる大きなソファの前。さらにNECが開発したコミュニケーションロボット「PaPeRo i」がソファに座っている人達を認識し、年齢やそのときの感情を予測してモニターに表示することでコミュニケーションを促すツールになるという。

センサーで取得した情報を可視化する
コミュニケーションロボット「PaPeRo i」が感情を視覚化する

 京都工芸繊維大学の仲隆介教授(大学院工芸科学研究科 デザイン・建築学系)は、「センサー技術は進歩したが、具体的にオフィスで何ができるのか。情報との付き合い方を研究する」と話す。実験は2月6日まで実施する予定だ。

京都工芸繊維大学の仲隆介教授

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