ドワンゴは3月16日、世界トップレベルの囲碁AI(人工知能)開発を目指すプロジェクト「DeepZenGOプロジェクト」を今春で終了すると発表した。3月〜4月に「囲碁電王戦FINAL」と題したプロ棋士との対戦を行い、DeepZenGoは引退する。
ドワンゴ広報部によれば、2016年3月のプロジェクト発足時に立てた「プロ棋士・李世ドル九段と対局したバージョンの米Googleの囲碁AI『AlphaGo』の強さに追い付く」という目標を達成したため終了する。対局サイト「幽玄の間」での対プロ棋士勝率や、「第1回世界電脳囲碁オープン戦」(17年8月)での優勝といった結果から判断したという。
「人間と囲碁AIの関係で、AIの棋力をより高めるという以外の方向もあり得ると考えており、棋力向上を目標としたDeepZenGoプロジェクトは終了という結論に達した」(ドワンゴ広報部)
DeepZenGoは、日本最強の囲碁ソフトの1つ「Zen」開発チームの尾島陽児さん、加藤英樹さん、東京大学松尾研究室などが開発。発足から約8カ月後、16年11月には「第2回囲碁電王戦」で史上最多タイトル獲得数(74)を誇る趙治勲名誉名人と三番勝負を行い、1勝を勝ち取った。17年3月の「第1回ワールド碁チャンピオンシップ」では日本のトップ棋士、井山裕太九段を破っている。
引退までに、過去にDeepZenGoを破ったミイク廷九段(中国)、朴廷桓九段(韓国)、趙治勲名誉名人と、ハンディキャップなしのリベンジマッチを行う。対局スケジュールは順に中国・北京で3月24日、韓国・ソウルで4月1日、日本・東京で4月7日。勝負は「ニコニコ生放送」で配信する。
【編集履歴:2018年3月16日23時00分更新 ※ドワンゴ広報部のコメントを追記しました】
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