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» 2018年03月19日 13時42分 公開

「汗が出る穴」で指紋認証、精度アップ スマホ向け、東大など世界初

スマホに組み込める高解像度の小型センサーで、指紋の細かい特徴を捉え、認証できるアルゴリズムを東大などが開発。偽造対策につながるという。

[片渕陽平,ITmedia]

 東京大学とディー・ディー・エス(愛知県名古屋市)は3月19日、汗が出る穴など微細な構造を読み取り、より高精度に指紋を認証するアルゴリズムを開発したと発表した。スマートフォンに組み込める高解像度の小型センサーも開発した。実用化は世界初という。

photo 新開発の高解像度センサー

 従来の技術は、指紋の形状や、指紋の盛り上がった部分(隆線)が枝分かれした部分などの特徴点を読み取り、判定するものが主流だった。しかしスマホなどでは、組み込めるセンサーのサイズに制限があるため、得られる画像面積が小さく、画像から抽出できる特徴点が少なくなり、誤認識が発生するケースがあった。

photo 従来のセンサー(約500ppi)と高解像度センサー(約3000ppi)で得られる画像の比較。いずれも3.5ミリ四方

 研究グループは、スマホに搭載できる高解像度のセンサーを開発。解像度が高くないと見えない、汗孔(かんこう)という細かい構造を解析し、認証するアルゴリズムを開発した。汗孔は、これまで解析対象だった隆線の枝分かれ部分などと比べると、同じサイズの画像内に多く存在するため、照合箇所が増え、認識精度が向上するという。

photo 同じ3.5ミリ四方の場合、高解像度センサーは、従来センサーが捉える隆線の枝分かれ部分に加え、汗孔を数多く捉えられる
photo 東京大学 大学院情報学環の梅崎太造特任教授

 高解像度センサーは、従来のセンサーと同レベルのコストに抑えたという。東京大学 大学院情報学環の梅崎太造特任教授によれば、センシングの具体的な技術内容は「特許を申請中のため公表できないが、特殊な膜を使い、従来ではありえない性能を実現した」。

 今後はより小型のセンサーへの対応、偽造対策などを進め、新手法をスマホメーカーなどに提案していく。ディープラーニング(深層学習)を活用し、肌の性質で指紋が取りにくい人向けに、指紋の隆線、汗孔、静脈などのうち、どれを使うと特徴が捉えやすいかを検証する――という取り組みも検討している。

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