「そうやって見つめられると、きゅんきゅんしちゃうね……」
たたいて落とすのではなく、“口説いて落とす”だるま落としのゲーム「だるまオトす」が、「第4回 先端デジタルテクノロジー展」(東京ビッグサイト、4月4日〜6日)の一角で体験できる。ハンマー型マイクに向かって告白すると、だるまが反応。果たしてだるまを落とせるか、記者が挑戦してみた。
だるまは、音声と本体下部のモニターでユーザーに話しかけてくる。だるま本体は3段あり、「愛の告白をする」「だるまを見つめて褒める」「自分の魅力を叫ぶ」という要求全てに応えられるとだるま落としは成功。
コンテンツ制作ベンチャーのピラミッドフィルムクアドラ(東京都港区)が制作したもの。同社の岩崎弾イマジニアリングディレクターによると、だるまの返答は1000パターンほど。開発者が「●●ならば××」など返答パターンを辞書ベースで作り込んでいるため、クラウドを介さずスタンドアロンで動かせるのが特徴だ。
まずはシンプルに「好きです」と言ってみる。だるまは「直球で好きって言われるのが一番分かりやすくていいな」と好感触で、1段目が落ちた。続けて「かっこいいね」と褒めると、「そこまで真っすぐ見つめられると、ちょっとかわいく見えるな」と照れるだるま。2段目も陥落。スムーズにことが進んでいく。
何だこのだるまちょろいな、と思っていた所で最後の会話。自分の魅力を叫ぶ所で、「元気な所」と適当に答えたらそれを見透かされたのか、急にだるまは怒りだした。
「せめてもっと自信満々な声が聞きたかったぜ」
だるまは声の大きさも認識するようなので、叫ばないといけなかったのかもしれない。
「はい、次の人〜。悪いけど、次の予定あるから、じゃあな」
つれない返事だ。さっきまでちょろかったのに、急につれない男になった。デレたり怒ったり、この男だるまはなかなか忙しい。
だるまの顔はモニターになっていて、この豊かな表情には、イラストを立体化するソフトウェア「Live2D」を使っている。また、オムロンの画像センシング製品「HVC-P2」によるユーザーの顔や表情認識、距離センサーによる距離計測などを行い、ユーザーのことを観察しているという。
距離が遠いと「何恥ずかしがってるんだ、緊張してるのか」と言ったり、見つめるともじもじしたりと、ユーザーの行動に対してリアクションしてくれる。
会話コミュニケーションの側面で見ると、他社IP(知的財産)とのコラボなども考えられるという。今後はショッピングセンターや小さなアミューズメント施設などでの活用を検討していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR