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FacebookのザッカーバーグCEO、初公聴会を無難に乗り切る

» 2018年04月11日 07時29分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは4月10日(現地時間)、米連邦議会上院司法委員会の公聴会に出席し、約8700万人のユーザーの個人情報が流出した問題について、「私のミスだった。この責任はFacebookを経営する私の責任だ」と謝罪した。

 hearing 1 公聴会で謝罪するマーク・ザッカーバーグCEO

 「Facebook, Social Media Privacy, and the Use and Abuse of Data」(Facebook、ソーシャルメディアのプライバシー、データの利用と不正利用)というこの公聴会に招請されたのはザッカーバーグ氏のみ。途中5分間の休憩をはさんで約4時間にわたった。

 hearing 2

 ザッカーバーグCEOはまず、「Facebookの担う責任を大局的にとらえていなかったことは大きな過ちだった」とし、「これは自分のミスであり、謝罪する。自分がFacebookを立ち上げ、経営しており、今回のことは自分に責任がある」という証言原稿を読み上げた。

 同氏は、今後は対策を強化し、ユーザーのプライバシーを保護していくと語った。Facebookは公聴会前に立て続けに対策を発表している。

 Facebookのようなプラットフォーマーを規制する法令は必要と思うかという質問に対しては、それが適切なものであれば歓迎すると答えた。

 個人情報を収集してターゲティング広告を表示する現在のビジネスモデルではなく、有料のサブスクリプションモデルに切り替えるべきではないのかと複数の議員が質問したが、ザッカーバーグ氏は、今後も常に無料版を提供し続けると語った(有料サービスを否定はしなかった)。「世界中の人々をつなげ、関係を強めることがわれわれのミッションだ」とも説明し、個人情報の収集が広告のためだけでなく、サービスのミッションのためのものであることを強調した。

 公聴会の間、ザッカーバーグ氏は緊張した様子ではあるものの、サービスについての知識があまりない議員からの誤解に基づく質問(ユーザー情報を外部に売るのはなぜか、など。Facebookはユーザー情報を販売していない)にも表情を変えずに静かに答えていた。

 ただ、Facebookは政治的に中立の立場なのか、Oculus VRのパルマー・ラッキー氏を解雇したのは同氏が共和党支持を表明したからではないのかという質問には、やや表情を硬くしてラッキー氏の退社は政治的思想とは無関係だと答えた。

 同氏は翌11日には下院エネルギーおよび商業対策委員会の公聴会で証言する予定だ。

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