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新型「ZOZOSUIT」、今期に600万着以上を配布へ すでに4000枚を発送済み

» 2018年04月27日 18時47分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 スタートトゥデイの前澤友作社長は4月27日、同社の決算説明会で、スマートフォンを使って全身のサイズを読み取る新型の「ZOZOSUIT」について、海外を含めて「今期で最低600万、可能なら1000万着を無料配布する」との計画を発表した。すでに同日時点で約4000枚を発送しているという。

photo 新型のZOZOSUIT

 2017年11月に発表したセンサー内蔵の旧型ZOZOSUITは、世界103カ国から100万件以上の予約があったという。旧型のスーツを受け取ったか、注文済みのユーザーには、最長でも7月中旬までに新型を無料配送する予定。

 新型は、全身にあるドット状のマーカーをスマホのカメラで360度撮影すると、体型サイズを計測できるボディースーツ。計測時は、同梱するスマホスタンドをテーブルなどに置き、セットしたスマホの背面カメラで撮影。スマホの2メートルほど後方で、両腕を軽く開き、足を肩幅に開いて立つ。「(時計の)●時の方向を向いてください」というスマホの音声指示に従って12回撮影すれば、3分ほどで計測は終了するという。

 読み取った体型は3Dモデル化し、スマホに表示。指でさまざまな角度に動かしてチェックできるとしている。

 前澤社長は「若干、未来感がなくなったことを除けば、いいことづくめ」と自信を見せる。Bluetooth接続するセンサーを使っていた旧型と比べると、電池切れやBluetoothの接続不良といった問題がなく、洗濯が可能になる、大量生産がしやすい、コストが下がる――などのメリットがあるという。

 新型は1枚当たり約1000円で生産可能という。ただ、旧型と比べてどれほど計測精度が向上したかは言及していなかった。

 前澤社長は「多くの受注を受けたが、(旧型は)思ったほど生産がうまくいかず、満足いく納期や数量を確保できないまま今日にいたった」と話す。「年明けから新しいアイデアや生産を改善する方法を考え、旧型と並行して水面下で新型の計画を進めていた。最終的に選んだのが新型だった」という。

 一方、旧型は、ニュージーランドのソフトセンサー開発企業StretchSenseと共同開発しており、スタートトゥデイが将来的に100%子会社化できるコールオプション契約を締結予定だった。しかし契約条件で合意に至らず、交渉が長期化した上、より高精度な技術を開発できたことから、契約締結を中止したという。締結中止による違約金は発生しないとしている。

photo StretchSenseの技術を活用していた、センサー方式の旧型ZOZOSUIT(4月27日午後3時時点の公式サイトより)

 スタートトゥデイが17年11月に発表した旧型ZOZOSUITは、予約開始から約10時間で23万件もの申し込みが殺到したという。当初は11月下旬から発送を予定していたが、同年12月に「想定以上の予約があった」として、配送の遅延を謝罪。18年1月末に発送開始を発表したが、予約数に生産数が追い付かず、届くまでに最長8カ月かかると説明していた。

 また、前澤社長は3月、ITmedia NEWSの取材に対し、旧型のZOZOSUITについて「数はいえないが、生産がすごく大変なのは事実だ。急いで作り、急いでお届けしている最中」と説明。ネット上では一部ユーザーから「YouTuberなど著名人しか受け取っていないのでは」と疑問の声が上がっていたが、前澤社長は「(一般のユーザーにも)届けている」と否定していた。

 旧型ZOZOSUITの生産数、ユーザーへの配送数は明かしていない。

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