ITmedia NEWS > セキュリティ >
ニュース
» 2018年05月23日 20時22分 公開

マネーフォワードの仮想通貨取引所はセキュリティ最優先 「できる限りコールドウォレットで管理」

[村田朱梨,ITmedia]

 家計簿アプリ「マネーフォワード」などを提供するマネーフォワードは5月23日、3月に設立した子会社「マネーフォワードフィナンシャル」を通じて仮想通貨交換業に参入すると発表した。同社執行役員で、マネーフォワードフィナンシャルの代表取締役社長を務める神田潤一氏は「最も重要なのはセキュリティだと考えている」と話す。

photo マネーフォワードフィナンシャルの神田潤一代表取締役社長
photo マネーフォワードフィナンシャルのサービスの特徴

 マネーフォワードの調査によれば、利用者が仮想通貨取引所の選択で最も重視しているのは「セキュリティ」(63.5%、複数回答)で、次いで「取引ツールの使いやすさ」(50.6%)という。また、仮想通貨取引を始めない理由についても調査したところ、47.3%の人が「セキュリティに不安があるから」と回答したという。「仮想通貨取引所はセキュリティを最優先する。その上で(ユーザーにとって)便利なサービスを提供していく」(神田社長)

photo 仮想通貨取引所の選択で重視していること
photo 仮想通貨取引を始めない理由

 具体的なセキュリティ対策として、ブロックチェーンの秘密鍵をネットワークから隔離して保管する「コールドウォレット」や、仮想通貨の送金時に複数の署名を必要とする「マルチシグ」の導入を検討しているという。

 「ホットウォレットでの管理はリスクが高いとコインチェックの事件で明らかになった。できる限りコールドウォレットでの管理を基本にする」(神田社長)

 一方で全てをコールドウォレットで管理することはユーザーの利便性低下につながるため、「ユーザーが許容する範囲内、万が一の時にユーザーへ影響が出ない形でホットウォレットも適宜利用する」という。

 マルチシグについては、「これから出てくる通貨も含め、マルチシグでどこまでセキュリティを担保できるのかを含めて検討する」とした。

 「仮想通貨交換業界で最も重要なことがセキュリティなのは間違いない。その中でもマネーフォワードフィナンシャルは、ユーザーに安心して利用してもらうため最高のセキュリティを提供したい」(神田社長)

 そのためにも「まずはユーザーが安心して仮想通貨を入手できる交換所の設立に注力」し、18年内の開設を目指す。交換所のシステム構築は、他の交換所の構築経験があるエンジニアなどが社員や外部委託として参加し、自社で一から構築しているという。

photo 2018年内に仮想通貨交換所の開設を目指す

 送金や決算などが行える「取引所」としてのプラットフォーム構築時期は未定だが「できるだけ遅れないタイミングで提供したい」と神田社長。すでに送金や決済のサービスを提供している他社との連携も「いち早く機能を提供できる早道」と捉え、視野に入れているという。

 仮想通貨交換業者としての登録(※)時期は未定。現在金融庁と議論や意見交換を進めているという。

※金融庁は2017年4月施行の改正資金決済法で、仮想通貨取引所を登録制とした。それ以前に事業を始めていた業者については登録期間を6カ月間猶予し、報告書の提出状況などに応じて延長している(関連記事)。

 「大事なのは仮想通貨やブロックチェーンというツールや手段ではなく、ユーザーに何を届けるか。フリーでフェアな金融サービスを提供するのがわれわれの使命だ」(神田社長)

 マネーフォワードは2012年に創業し、家計簿アプリ「マネーフォワード」や法人向けクラウド会計ソフト「MFクラウド会計」などを提供。17年9月にマザーズへ上場した。

 神田社長は1994年に日本銀行に入行し、金融機構局で金融機関のモニタリングや考査などを担当。2015年8月から17年6月まで金融庁に出向し、日本の決済制度やフィンテックやインフラの高度化や、フィンテックに関連する調査や政策企画に従事。17年9月からマネーフォワードの執行役員を務めている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.