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» 2018年06月05日 08時06分 公開

WWDC 2018基調講演まとめ(iOS 12/watchOS 5/tvOS 12/macOS Mojave)

Appleの年次開発者会議「WWDC 2018」で発表されたことを時系列にまとめた。iOSの「Memoji」や「ARKit 2」、macOSのダークモード、FaceTimeのグループチャットなどが発表された。

[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Appleは6月4日(現地時間)、年次開発者会議WWDCをサンノゼのマッケナリーコンベンションセンターで開催した。基調講演で発表されたことを時系列にまとめる。

 基調講演では例年、次期OSの新機能を中心に紹介するが、ハードウェアの発表もあった。今年はApple Watchのレインボーカラーバンド以外はハードウェアの発表はなかった。

 オープニングは、世界各国からWWDCのために集まってくる開発者を描いた動画で、その後登壇したティム・クックCEOは、WWDCには世界77カ国から開発者が集まり、基調講演のホールには6000人が集ったと語った。

  wwdc 1 ティム・クックCEO

 iOSのApp Storeは7月で10周年を迎える。クック氏は、毎週5億人の訪問者がおり、開発者の累計収益は1000億ドルに達したと発表した。

 次にSwiftとSwift Playgroundsについて簡単に触れた後、「今日はすべてソフトウェアについてだ」と宣言。4つのOS(iOS、watchOS、tvOS、macOS)について順番に紹介していくとした。

 wwdc 2 今日はソフトウェアについてだ

iOS 12──落ちこぼれるモデルなし

 次期iOS、「iOS 12」の紹介は、ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏。まずは恒例の現行iOSの受け入れられ方について紹介。ユーザーのアップデートは早く、リリース後7週間で約半数のユーザーがアップデートを完了した。インストールベースはAndroidの最新版が6%のところ、iOSは81%だと発表した。

 wwdc 3 インストールベース自慢

 現行のiOS 11対応端末はすべて、iOS 12にアップデートできる。アップデートすると、例えば「iPhone 6s」の場合、アプリの起動は40%、キーボード表示は50%、カメラの起動は70%速くなるという。

 この後、アプリごとの紹介が、下の画像の順に続いた。

 wwdc 4 デモを交えて紹介されたアプリ群

AR(拡張現実)の新フォーマット「USDZ」

 「USDZ」は、米Pixar Animation Studiosと共同開発した、共有しやすいAR向けの新ファイルフォーマット。Adobe、Autodesk、TurboSquid、Sketchfabなどがサポートする。

 AdobeによるUSDZのデモの後、フェデリギ氏がAppleのARアプリ「Measure」を紹介した。画面に映る物体のサイズを測れるアプリで、デモではスーツケースの横幅や体積(縦横高さを画面上でポイントすると計算される)、写真のサイズを測った。写真の場合は枠を自動認識し、計算する。

 wwdc 6 ARアプリ「Measure」のデモ

 オンラインショップにあるFenderのギターを実物大にして部屋に置いてみるデモも行った。

空間を人と共有できる「ARKit 2」

 AR対応アプリのフレームワーク、「ARKit」が「ARKit 2」になる。顔追跡や3Dオブジェクトの検出が向上し、“共有体験”が可能になる。

 共有体験とは、複数の人が自分のiPadやiPhoneで同じ空間を自分の視点から見られる機能。LEGO Groupのイノベーションディレクターのデモでは、テーブルに置いた建物をLEGOのARアプリで表示して操作すると建物の周囲に道や他の建物が出現し、ミニフィグが動き出した。2人でそのLEGOの世界を自由に操作でき、火事を協力して消すと新しいARアイテムを獲得できるなどのゲーム要素もあるようだ。

 wwdc 7 LEGOのデモ

写真アプリはAI機能が向上

 検索サジェスト機能が追加され、場所やイベントでの検索も可能になる。新しいタブ「For You」では友達と共有する写真をお勧めする。共有する写真はフル解像度だ。

Siriの新機能「Shortcut(ショートカット)」

 Siriの「Shortcut」は、Google Homeの「ショートカット」に似た機能。あらかじめ決めておいたフレーズをSiriに言うと、目的の操作をさせることができる。フェデリギ氏はデモで「鍵をなくした」とSiriに言うことで位置追跡アプリ「Tile」を起動してみせた。

 ユーザーはShortcutアプリのEditorを使ってオリジナルのショートカットを作れる。複数の操作をまとめておけるので、例えば「家に帰るよ」と言うと自宅の空調が起動し、家族に帰宅するとメッセージし、交通状況を知らせ、電車の中で聴くラジオの再生を開始する、などだ。

ニュース、株価、ボイスメモ、Apple Books

 「ニュース」アプリにブラウズタブなどが加わってUIが少し変り、「株価」アプリにニュースアプリの情報が反映されるようになる。また、2つのアプリがiPadに対応する。

 ボイスメモもiPadに対応する。

 現在「iBooks」という名称の電子書籍アプリが「Apple Books」に変わる。

CarPlayがGoogleマップなどサードパーティアプリをサポート

 車載ディスプレイでiPhoneの機能を使う「CarPlay」で、「Googleマップ」を使えるようになる。「Waze」と中国で人気の地図アプリ「高徳地図」もサポートする。

 wwdc 8 CarPlayにGoogleマップが

iPhone中毒防止ツール3つ

 「Do Not Disturb」がアップデートされ、ベッドタイムオプションが追加された。就寝時間中は画面にプッシュ通知が表示されない。

 プッシュ通知の新機能としては、通知のアプリやスレッド別のグループ化機能やアプリのプッシュ通知を設定する「Instant Tuning」機能などが追加になる。

 Googleが5月のGoogle I/Oで発表した「Android P」の利用時間を意識するためのツールに似た「Screen Time」も登場する。毎週iOS端末をどのくらい使ったか、どのアプリをどのくらい使ったかなどを一覧でき、自分でアプリの利用制限時間を設定することも可能。設定した時間が近づくと、プッシュ通知が表示されて注意喚起する。

 Screen Timeはファミリー共有に対応するので、保護者は子どもたちの端末の利用時間をScreen Timeで制限できる。

「メッセージ」の目玉は自分の顔を作れる「Memoji」

 「iPhone X」の「メッセージ」アプリで使える「Animoji」に新キャラクター(虎、コアラ、恐竜、おばけ)が加わり、舌の動きに対応する。さらに、髪型や肌の色を選びながら自分の動くアバターキャラクターを作れる「Memoji」機能が加わる。

 wwdc 9 Memojiを作成する

 この他、SnapchatやInstagramのステッカー(スタンプ)のような機能が使えるようになる。自分のMemojiをステッカーとして使うこともできる。

FaceTimeに32人までが参加できるグループチャット機能

 これまで1対1でしか使えなかった動画チャットアプリ「FaceTime」がグループチャットに対応した。32人まで参加できる。顔をMemojiにして参加することも可能だ。

(iOS 12についての別記事

watchOS 5

 Apple WatchのOSは「watchOS 5」になる。紹介するのは今年もケビン・リンチ氏。フィットネス機能でのコンペティション(誰かと成果を競う機能)やヨガとハイキングの追加などを説明した。

 Wi-Fi利用の声でのショートメッセージ機能(トランシーバーのような機能)のデモでは拍手が起こった。

 米国の一部の大学で、学生証代わりに使える機能もスタートする。デューク大学、オクラホマ大学などが採用する。

 そして、今回の基調講演で唯一のハードウエアといえる、レインボーカラーの「プライドエディション」バンドが発表された。

 wwdc 10

(watchOSの別記事

「tvOS 12」はDolby Atmosサポート

 「Apple TV 4K」が米Dolbyのサラウンドフォーマット「Dolby Atmos」に対応する。購入済みのコンテンツも、無料でDolby Atmos版にアップグレードできる。

 また、スクリーンセーバーの映像の概要が表示できるようになる。さらに、国際宇宙ステーション(ISS)提供の地球の映像も追加になる。他の風景と同様に、時間に合わせて明るさが変わる。

(tvOSについての別記事

maOSは「Mojave」(モハベ)に

 うわさ通りの「ダークモード」が登場。写真アプリなどで画像が映えて見えるが、最も歓声が大きかったのはXcodeのダークモードだった。

 wwdc 11 Xcodeもダークモードに

 この他、散らかってしまいがちなデスクトップのファイルアイコンをグループ別にまとめる「Stacks」、Finderのギャラリービューやクイックアクションなどの新機能が紹介された。スクリーンショット機能も強化され、動画のスクリーンショットも(動画として)保存できる。「Continuity」機能では、iPhoneで撮影した写真をMacのアプリにそのまま持ってこられるようになる。

 ニュース、ボイスメモ、ホームなどのiOSアプリがMacのアプリとして追加される。

(macOSについての別記事

iOSとmacOSのマージは「ない!」

 Mac App Storeのデザイン改善や年内にMicrosoft Office 365とAdobe Creative Cloudが登場するという発表の後、フェデリギ氏が「Metal」と「Create ML」を紹介した。その後に、「AppleがiOSとmacOSを統合するのではないかといううわさがあるが、答えはNO!だ」と語った。

 wwdc 12 iOSとmacOSの統合はない

 MacにはMacならではのトラックパッドやマウス、キーボードに合うアプリが必要だとし、統合はあり得ないと強調した。ただし、先に紹介したニュースやボイスメモのMac版のように、iOSアプリのMac版開発のための取り組みは社内で行っているとして、その仕組みを紹介した。

 現在、macOSのUIはAppKitのオブジェクトで構築し、iOSではUIKitを使っている。UIKitをmacOSでも使えるようにすることで、iOSアプリのMacへの移植をしやすくする。2019年に利用可能になる見込み。

 wwdc 13

 最後に再登場したクック氏は、4つのOSの新版の開発者向けは同日リリースし、公式版は今秋リリースすると語った。その後、開発者とその家族を賛美する動画が流れ、クック氏が開発者に感謝の言葉を述べて2時間超の基調講演は幕を閉じた。

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