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» 2018年07月18日 09時00分 公開

特集・ITで我慢をなくす「流通テック」:消費者と配達員の我慢、どちらも減らす方法はあるか 「受け取り方」を変える宅配の新しい選択肢 (1/3)

ネット通販の拡大は利用者の買い物を便利にしたが、再配達の増加などさまざまな問題を引き起こしている。さらには時間指定枠縮小や配送量値上げなど利用者への負担も増えてきた。一方で、配送業者と利用者の双方が「我慢」を抱える現状を、テクノロジーの利用で解決しようとする動きも生まれている。

[村田朱梨,ITmedia]

 宅配を取り巻くニュースといえばまず「再配達問題」があげられるだろう。ネット通販の拡大は買い物を便利にした反面、再配達の増加や配達員の長時間労働など、配送業者にさまざまな「我慢」を押しつけてきた。それが今度は時間指定枠の縮小や配送料の値上げという形で消費者にも返りつつある。この我慢の悪循環をなくし、双方の負担を減らす方法はないだろうか。

 そこで注目したいのが、配送業者や小売業者が取り組んでいる「受け取り方の改革」だ。買い物をした人の自宅へ向かい本人に手渡す――という従来の方法にとらわれない製品やサービスが続々と登場している。

進化する宅配ボックス

 再配達問題の解決に向けた動きの一つに、宅配ボックスの利用がある。パナソニックが2017年に実施した実証実験結果では、一戸建て約100世帯に宅配ボックスを設置したところ、49%あった再配達率が8%まで減少したという。アパートに宅配ボックスを設置する実証実験でも、宅配ボックスでの受け取りが28%を占め、再配達率を15%に抑えることができたという。

photo パナソニックの宅配ボックス

 宅配ボックスの設置は、不在時はもちろん、手が離せない時でも荷物が受け取れるなど利用者のメリットも大きい。手軽に利用できる折りたたみ式の宅配ボックスなど、さまざまなタイプの宅配ボックスが登場している他、セコムのように自社のサービスのオプションとして宅配ボックスを提供しているところもある。こちらは荷物収容時にスマホへ通知し、荷物を保管している間は不正な扉の開閉がないかセンサーで監視するなど、警備サービス会社らしい宅配ボックスだ。

photo サンワサプライの折りたたみ式宅配ボックス
photo セコムの「セコムあんしん宅配ボックス」

 販売店や地域によっては、玄関先や車庫などあらかじめ指定した場所に荷物を置いてもらう「置き配」を利用できるところもある。アスクルが運営する個人向け通販「LOHACO」の時間帯指定配送サービス「Happy On Time」は、東京都内11区と大阪市内9区で置き配が利用可能。日本郵便も来春をめどに「ゆうパック」で置き配を開始する見込みだ。

photo LOHACOの「置き場所指定配送」

 しかし古い集合住宅などに住んでいると、こうしたサービスの利用や宅配ボックスの設置が難しいこともある。そこで便利なのが「自宅以外で受け取る」という方法だ。

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