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インタビュー
» 2018年08月22日 13時45分 公開

好きなキャラと話せる立体ディスプレイ、JDI「LF-MIC」のマジカルな未来 (1/3)

ジャパンディスプレイ(JDI)が、裸眼立体視に対応する「ライトフィールドディスプレイ」(型番:LF-MIC)を開発した。特別なメガネを装着しなくても立体映像が見られる縦長の小型ディスプレイで、ゲームやアニメのキャラクターを映し出し、会話もできるスマートスピーカーのようなデバイスを目指す。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)が、裸眼立体視に対応する「ライトフィールドディスプレイ」(型番:LF-MIC)を開発した。特別なメガネを装着しなくても立体映像が見られる縦長の小型ディスプレイで、ゲームやアニメのキャラクターを映し出し、会話もできるスマートスピーカーのようなデバイスを目指すという。詳細を担当者に話を聞いた。

眼立体視に対応する「ライトフィールドディスプレイ」(型番:LF-MIC)

ライトフィールドディスプレイの仕組み

 これまでの3D映画や3Dテレビは、右目と左目の見え方の違い(視差)を利用して立体感を得る「視差方式」が主流だった。この場合、右目用と左目用という2種類の画像を用意すれば良いため、コンテンツ制作は比較的容易になる。しかし、再生時に特殊なメガネやヘッドマウントディスプレイが必要となる煩雑さもあり、普及には至っていない(一部に裸眼立体視の製品もある)。

 一方のライトフィールドディスプレイは「光線再生方式」という、物体が発した光線(太陽光などを反射した光)を再現する方法を採用する。

 「目に見える物体からは、さまざまな方向に光線が出ていて、われわれはその光を捉えることで立体的に感じ、物体を認識しています。見ている物の表面で反射した光はさまざまな方向に向かいますが、それを疑似的に再現して立体視を可能にしたのがライトフィールドディスプレイです」(NHKメディアテクノロジー 放送技術本部 映像部 CG・VFXの大塚悌二朗副部長)

ライトフィールドディスプレイの概要。「光線再生方式」と呼ばれる通り、物体が発した光線を再現する

 NHKメディアテクノロジーは、2015年11月の「創立30周年記念技術展」で4Kパネルを使用したライトフィールドディスプレイを展示(当時は『4K裸眼立体視ディスプレイ』と呼称)。17年にディスプレイ専門の国際学会「SID DISPLAY WEEK 2017」でデモンストレーションを行い、今年5月には初めて動画表示に対応した17インチ8Kパネルの試作機を発表した。8Kパネルを使った試作機は、いずれもJDIと共同開発したものだ。

17インチ8Kパネルの試作機。初の動画表示に対応した

 光線を再現するには、まず任意の方向に進む光線を作らなければならない。試作機では、バックライトと液晶パネルとの間に遮光体(マスク)をパターン形成した「バリアガラス」を設け、特定の方向に進む光線以外を遮断。その上で光線が通過する画素に適切な色を表示して必要な光線を作った。17インチ8Kパネルを使用した試作機の場合、水平方向に69の光線を出すという。

ディスプレイの構成。液晶パネルとバックライトの間にバリアガラスを設け、光線を制御する。光線数は69で立体視野角は130度

 「ガラスの貼り合わせにはマイクロメートル単位の精度が求められますが、そこはJDIのノウハウ。液晶の貼り合わせる、今持っている技術で対応できます」(JDI R&D統轄部 フロントプレーン開発部 応用開発1課の林宗治研究主査)

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