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4Gと5Gを同一周波数帯で共存、KDDIが新技術を実験 電波の有効利用に

» 2018年09月04日 16時18分 公開
[ITmedia]

 KDDI総合研究所は9月4日、4G LTEの周波数帯域内に5G(第5世代移動通信方式)を共存させる新しい技術の実証実験に成功したと発表した。帯域分割のように帯域を減らすことなく、2つの通信方式を柔軟に利用できるという。

photo 5Gを4G LTEと同一周波数帯域内共存のイメージ

 5Gでは、28GHz帯や3.6〜6GHz帯に加え、4G LTEで使用中の3.6GHz以下の利用も検討されている。コネクテッドカーなど広いエリアをカバーするサービスには減衰の少ない低い周波数帯が必要になるためだ。4G LTEと5Gの共存させる技術については携帯電話などの標準仕様を策定する3GPPが「3GPP Release15」で定義しているが、これまで実証はされていなかった。

 KDDI総合研究所は、外部の電磁波などの影響を受けないシールドルームで実際に4Gと5Gの無線を出力。3GPPが定めた仕様では4G LTEの参照信号と5Gの同期信号が干渉してしまうことが分かったという。このため4G LTEのMBSFN(Multicast Broadcast Single Frequency Network)機能を用いて参照信号を抑制、システム間の干渉を抑えることに成功した。

photo 実験システム
photo 実証実験結果の例

 KDDI総合研究所は今後5Gと4G LTEの共存技術の実用化に向け、研究開発や標準化活動を進めていくとしている。

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