一方、ロボットの頭部にはカメラやマイクを搭載。操作者がVR空間で指示を出すと、ホイールで動き回り、周りの風景や音を伝える。指には温度、振動、圧力を検知するセンサーが取り付けてあり、つかんだ物の重さや質感などを操作者の触覚デバイスに反映する。
離れた場所で動くロボットを分身のように感じさせるには、動きや感覚のタイムラグをできるだけ減らさなければならない。しかし、現在は「180ミリセカンドほどのタイムラグがある」(佐野氏)という。
「研究では125ミリセカンドまで縮められた。将来的には100を切るのが目標だ。今はWi-Fiや4G LTEを使って伝送しているが、5Gが実装されれば解決されるだろう」(佐野氏)
現時点で一番の課題は伝送技術だが、実用化に向けてロボットの改良も進めるという。将来的にはバーチャル旅行を体験したり、離れた場所で働いたりするために遠隔操作ロボットを活用する考えだ。
「一瞬で遠い場所にワープできるというのは、1つの価値になると考えている。また、ロボットを通じてスキルのある人の知識や技能を伝送することで、遠方に派遣するコストを下げ、労働格差の解決につなげたい」(佐野氏)
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