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異業種が熱視線 日本の「eスポーツ」はビジネスになるのか(1/2 ページ)

» 2018年10月20日 07時00分 公開
[村上万純ITmedia]

 今年は、日本国内のさまざまなメディアで「eスポーツ」が大きく取り上げられている。9月に開催されたアジア競技大会(ジャカルタ)では初めて公開競技に認定され、日本人選手が金メダルを獲得したことも記憶に新しい。日本国内では、2月にeスポーツ普及を推進する新団体「日本eスポーツ連合」が発足。9月の「東京ゲームショウ2018」で開催されたeスポーツ大会の賞金総額は昨年の約20倍となる3000万円規模に及んだという報道もあるなど、「eスポーツ色」が深まっている

eスポーツ アジア競技大会で優勝した日本人選手(日本eスポーツ連合より)

 そんなeスポーツだが、米ゴールドマンサックスの報告書によると、世界における市場規模は2022年までに29.6億ドルに達すると予想されており、17年の6.6億ドルのおよそ4.5倍に成長すると見られている。eスポーツ関連の大会や番組の視聴者に伸びしろがあり、スポンサー収入だけでなく、放映権料やグッズ販売などライツビジネスによる売上が大きく成長すると予測されている。

eスポーツ 2018年のeスポーツ収益比率(日本eスポーツ連合の資料

 世界では賞金1億ドル(約110億円)を拠出するeスポーツ大会もあるが、日本市場はまだまだこれからだ。Gzブレインによる報告書によると、17年の海外市場規模は約700億円、eスポーツ大会の視聴者数の規模が3億3500万人だったが、日本の市場規模は5億円未満で視聴者数は158万人だっという。

eスポーツ 賞金1億ドル(約110億円)を拠出するeスポーツ大会も

芸能事務所やテレビ局も参戦

 これからますます成長していくかもしれない市場に目を付け、異業種が続々とeスポーツに本格参入している。3月7日に参入を発表した吉本興業は、「よしもとゲーミング」としてプロチームを複数運営するほか、ゲーム実況に特化したタレントを育成。10月には渋谷にeスポーツ拠点「ヨシモト∞ドーム」を開設すると明かした。また、しばしばテレビ番組でもプロゲーマーの特集が組まれることがあったが、日本テレビも6月にeスポーツ事業に取り組むとして子会社アックスエンターテインメントとeスポーツチーム「AXIZ」の設立を発表している。

eスポーツ 吉本興業がeスポーツに本格参入
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