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» 2018年10月31日 17時45分 公開

「マーケティングが変わる」 ヤフー川邊社長が「PayPay」に込める期待

決済サービス「PayPay」の普及を前提に、ヤフーの川邊社長は「マーケティングが全く変わる」と期待を寄せる。

[片渕陽平,ITmedia]

 決済サービス「PayPay」(ペイペイ)は、ヤフーの川邊健太郎社長が「コマース事業で最も未来に投資している事業」と期待を寄せるサービスだ。キャッシュレス決済というユーザー側のメリットが目立つが、広告ビジネスを主事業とするヤフーからすると「マーケティングが全く変わる」(川邊社長)可能性も秘めている。ヤフーが10月31日に開いた決算説明会で、川邊社長がPayPayの展望を語った。

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 PayPayは、専用アプリ(iOS/Android)を利用したQRコード(またはバーコード)決済サービスだ。ヤフーとソフトバンクの合弁会社が10月5日に提供を始めた。中国で広く普及している決済サービス「Alipay」とも連携し、導入店舗にとっては「日本在住者と訪日中国客の決済が1つのQRコードで済む」(川邊社長)というメリットもある。

 川邊社長は、PayPayが「普及することが前提」とした上で、マーケティングへの活用を見込んでいる。ネット広告が実店舗の購買にどれほど貢献しているか、といった広告効果の可視化がその1つだ。

 例えば、広告主(ナショナルクライアント)が商品を売り出すとき、ヤフーのサイト上に広告を出す。その広告を見た人が実店舗で商品を購入すると、QRコードが付いてくる。QRコードをPayPayのアプリで読み取ると、電子マネーでキャッシュバックを受けられる――といったキャンペーンを行う。PayPayのユーザーは、アプリ内で新規アカウントを作成するか、Yahoo! JAPAN IDを使ってログインしているため、ネット広告の閲覧と購入の有無を結び付けられる。

 「どの程度ネット上に広告を露出すれば、用意した商品を全て売れるか、逆算が可能になり、メーカーのマーケティングが高度化する。可能であれば今年度内に提供したい」

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photo ヤフーの川邊健太郎社長

 また、PayPayを活用した投資サービスも検討している。アプリ内の残高を使って手軽に金融商品を購入できる、といったものを構想。キャッシュレス決済にとどまらず、ユーザーの利便性向上を図る。「既に取り組んでいる金融サービスとPayPayをうまくドッキングし、ユーザーの収入が増える機会も提供したい」(川邊社長)

 こうした新サービスを提供するには、PayPayの普及が急務だ。コード決済で先行するLINE Pay、楽天ペイに対抗すべく、サービスの使い勝手向上に加え、対応店舗の拡大を急ぐ。「(ソフトバンクとの合弁会社である)PayPayの社員、ソフトバンクの法人営業も含めると、店舗開拓では最も機動力のあるモバイルペイメントだと思う」(川邊社長)。

 「(モバイルペイメントなど)インターネット技術を活用してリアルに進出していく、もしくはネットとリアルを融合させるサービスが相次いで登場しているのが、昨今のトレンドだ。ヤフーも他社に先んじて参入し、この分野で未来を作っていく」

 同日、ヤフーが発表した2018年4月〜9月連結業績は、売上高が4650億円(前年同期比8.6%増)、営業利益が831億円(同12.5%減)、純利益が551億円(同18.5%減)と増収減益だった。検索連動型広告が好調だった広告事業などが売上増に貢献したが、事業成長に伴う販管費の増大や、人材・サービス基盤への投資が減益につながった。

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