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「おやすみ、ケプラー」最後のコマンド送信 ケプラー宇宙望遠鏡、引退

» 2018年11月20日 12時56分 公開
[ITmedia]

 「Goodnight」(おやすみ)――米航空宇宙局(NASA)は11月17日(米国時間)、宇宙望遠鏡「ケプラー」をシャットダウンする最後のコマンドを15日に送信し、ケプラーが受信したことを確認したと発表した。9年にわたる同望遠鏡の運用が、完全に終了した。

 「Goodnight」は、システムをオンに戻す可能性のある「安全モード」を無効にし、送信機をシャットダウンして地球との通信を切断することで、運用を完全に終了させるコマンド。送信された15日が、名前の由来であるドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーの命日だったのは偶然だという。

 ケプラーは2009年に打ち上げられ、3年半運用する予定だったが、延長して9年以上も探査を続けてきた。太陽系外で2600以上の惑星を発見。これまでに燃料を使い果たしており、NASAは10月30日に引退させることを発表していた。現在は、地球から約9400万マイル(約1億5000万キロ)離れた太陽の周りを、安全な軌道で漂っているという。

 NASAは今年4月、後継機に当たる「トランジット系外惑星探索衛星」(TESS)を打ち上げている。2年間で太陽系に近い星を20万以上調査する計画だ。

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