次に紹介するのは「太陽の使者 鉄人28号」。1990年代、太陽エネルギーをメインのエネルギー源として活用していた時代の話になっている。正太郎はインターポールのメンバー、鉄人も「将来の犯罪に備えて作られた兵器」となっており、原作とは趣が異なることが分かるだろう。
操縦器はアタッシェケースにアンテナが付いたような形の「ビジョンコントローラー」。2つの操縦桿(そうじゅうかん)とモニターが付いている。正太郎は最初操作に戸惑うこともあったが、すぐに慣れて自在に操縦できるようになった。
さて、この「ビジョンコントローラー」の認証だが……なんと、「今川版鉄人」と同様、なんら認証が付いていない!
戦中の兵器だったらともかくも、1990年代の兵器に認証が全く付いていないのはいただけない。しかも第2話でこの「ビジョンコントローラー」を奪われてしまう事態となる。鉄人の開発者、金田博士はもうちょっとこの辺りに気を付けて開発した方が良いのではないだろうか……。
それでは「超電動ロボ 鉄人28号FX」ではどうなっているだろうか。時代設定は21世紀。しかも原作の直接の続編と位置付けられ、原作者の横山光輝も関与している作品だ。初代の鉄人は「伝説のロボット」という位置付けになっているが、成長した正太郎と共に作品中にも度々登場する。
「FX」では多数のロボットが登場するが、いずれも鉄人同様に乗り込まずに操縦器で操縦する形態をとっている。「鉄人28号FX」の操縦器は「グリッドランサー」と呼ばれる光線銃型をとっており、これにはなんと認証がついている。
コントロールパネルで簡単なパスワードを入力し(知識認証)、その後音声入力で命令するという寸法だ。鉄人28号FXを作ったのは正太郎の妻、陽子であるため、弱点もよく分かっていたと推測される。一方で、1話でネオ・ブラック団に接収されたロボットたちは操縦器を奪われ、いいように使われる描写もある。この時代も認証は一般的ではなかったのだろうか。
ところが、第2話でネオ・ブラック団の計略にかかり、グリッドランサーを奪われてしまう事件が発生する。この時、ネオ・ブラック団のデビル火刀は鉄人を起動させることに成功し、街を破壊する悪のロボットになってしまう。簡単なパスワードを設定していたのだろうか……?
結局「いいも悪いもリモコン次第」なところはあまり変わらないようだ。
では、鉄人にはどのような認証が必要だろうか。
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