米Microsoftは5月6日(現地時間)、年次開発者会議「Build 2019」で同社のAI音声アシスタント「Cortana」の「conversational AI(会話型AI)」の取り組みを紹介した。
conversational AIは、Microsoftが昨年5月に買収した自然言語AIを手掛ける米Semantic Machinesの技術を採用するAI。特別な呼び掛けの言葉を必要とせずに、人間のようにコンテキストを理解しつつ人間とやり取りするAIを目指している。
公開されたデモ動画(記事末に転載)では、出勤中の幹部らしき女性がスマートフォンでCortanaと会話しながらスケジュールや天気を確認し、調整し、追加する様子が紹介されている。
スマートフォンに表示された打ち合わせの時間変更メッセージの通知を見ながら女性が「今日の予定は?」と尋ねるとCortanaが「こんな感じです」と画面にスケジュールを表示しながら答え、予定を順に読み上げる。新しい打ち合わせ時間とバッティングする予定(散歩)を「明日の同じ時間にリスケジュールして」と頼むと“同じ時間”が何時かを理解してリスケする。
受け答えには米Googleの「Duplex」のような「ええと」のような人間的なフレーズが適宜入る。
会話が自然なだけでなく、コンテキストを理解した調整ができるのも特徴。例えばユーザーが他の予定とバッティングする新しい予定を入れるよう命令すると、最適(と判断した)な代替案を提示する。
また、カレンダー、メール、マップなどを連携しており、例えば「今日のランチはどこの予定?」と聞いた後に「天気は?」と尋ねると、ランチ予定のレストランの近くの天気を答え、「行き方を車に送っておいて」と続けると、レストランへの行き方をユーザーの車載AIに送る。
この動画はあくまでもデモであり、実際にCortanaでこうしたことが実現するのが具体的にいつごろになるのかはまだ不明だ。
Microsoftは「Bot Framework」でサードパーティー開発者にこの会話型AIのエンジンを提供し、それをCortanaに統合できるようにする。
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