年間光熱費がおよそ3分の1に、太陽光発電システムと蓄電池を備える住宅エネルギー管理

太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池を組み合わせ、ピークカット、節電、売電を狙ったシステムが登場し始めている。旭化成ホームズはこのシステムを搭載した住宅を売り出した。

» 2012年04月06日 07時50分 公開
[笹田仁,ITmedia]

 旭化成ホームズは電力コスト削減と、災害に備える機能を備える住宅「ヘーベルハウス そなえのいえ」を発売した。太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池を搭載し、ピークカットや売電を可能にしたもので、同社が実施したシミュレーションによると、年間光熱費をおよそ3分の1に抑えられるという。

 リチウムイオン蓄電池の蓄電容量は7.2kWh。搭載できる太陽光パネルの数は、住宅の設計によって変わるが、同社は2階建て、3階建てそれぞれのプロトタイプを用意している。2階建てのプロトタイプは、3.94kWの出力を得られる太陽光発電システムを搭載できる。3階建てのプロトタイプは、2.95kWのシステムを搭載する。

 太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池は連係しており、ユーザーの設定次第で6種類の異なるモードで動作させることができる。例えば、太陽光発電システムで発電した電力を、住宅で使うよりも電力会社に売電することを優先する「売電モード」や、ピーク時に蓄電池からの電力を使うようにする「ピーク抑制モード」などの動作モードを用意している。

 災害に備えて常時3kWhの電力を蓄電池に確保して、売電モードで運転するという条件で同社がシミュレーションを実施した結果、年間光熱費をおよそ1/3に抑えられるという。

 電力コスト低減のほか、災害への備えという特長もある。地震の強い制震構造になっているほか、火災時の延焼を防ぐために、耐火部材で外壁を作っている。さらに、延焼防止効果を高めるために、ベランダ部の壁を二重にするなどの工夫を加えている。

asahikaseihomes 図1 「ヘーベルハウス そなえのいえ」。3階建てプロトタイプの外観

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