京都のマンションで電力を一括契約に切り替え、共用部の電気料金を40%削減電力供給サービス

マンション開発・管理大手の大京グループは、京都府にある築17年のマンションに、オリックス電力から一括契約で電気を購入するサービスを導入した。従来の関西電力との契約を切り替え、共用部の電気料金を40%削減する。

» 2012年04月12日 19時15分 公開
[石田雅也,ITmedia]

 京都府の宇治市にある「ライオンズマンション宇治大久保」は1994年に建設された7階建てのマンションで、総戸数は78戸ある。大京グループのマンション管理会社、大京アステージがマンションの管理組合に提案して、オリックス電力の「電力一括購入サービス」を4月から利用できるようにした。

 従来はマンションの居住者が個別に電力会社と契約を結んでいたが、これをオリックス電力との一括契約に切り替えることで、エレベータなど共用部分の電気料金を40%削減する(図1)。年間で約45万円の削減を見込めるという。

ALT 図1 「電力一括購入サービス」はマンション居住者に代わって電力会社と一括契約を結んで電気料金を削減。出典:オリックス電力

 この電力一括購入サービスを受けるためには、マンション内の電気設備を入れ替えて、電圧が高い業務用の「高圧電力」を受けられるようにする必要がある。電気室の受変電装置を交換し、各住戸のアンペアブレーカと電力量計も取り換えた(図2)。これらの新しい設備はオリックス電力がサービスの一環で提供する。

ALT 図2 各住戸のアンペアブレーカと電力量計のほか、マンション内の電気室にある受変電設備の交換が必要。出典:オリックス電力

 オリックス電力は関西電力との間で高圧電力の供給契約を締結して、電気料金の単価を引き下げる。通常マンションの居住者を含む一般の家庭では、電圧が低い「電灯」というタイプの契約を電力会社と結んでいる。関西電力の現在の電気料金の単価を比較すると、家庭用の電灯の場合は1kW時につき20円程度だが、業務用の高圧だと12円程度になる。この単価の差によって40%の電気料金の削減を実現する。

 マンションの共用部と合わせて各住戸が使う電力の単価も同様に下がるため、居住者が利用する分の差額がオリックス電力の事業収益になる仕組みだ。オリックスグループと大京グループは資本関係もあり、今後は新築のマンションを含めて「電力一括購入サービス」の導入件数を共同で拡大していく。

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