熱を利用した再生可能エネルギーの導入加速へ、40億円の補助金制度が始まる自然エネルギー

太陽熱やバイオマス、さらには地中熱や雪氷熱など、自然の熱を利用した再生可能エネルギーの拡大計画が動き出す。経済産業省が民間企業や地方自治体などを対象に、40億円の補助金制度を5月30日から開始した。

» 2012年06月01日 14時09分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 これまで再生可能エネルギーと言えば、太陽光発電や風力発電に注目が集まっていたが、自然界にあるさまざまな熱からエネルギーを作り出す取り組みも本格化してきた。太陽熱や地中熱、生物を利用したバイオマス熱などである。

 経済産業省は5月30日から、「再生可能エネルギー熱事業者支援対策事業」として、総額40億円の補助金制度を開始した。6つの方式の熱を利用したエネルギーが対象になる(図1)。6月29日まで申請を受け付け、8月上旬に補助金の交付対象者を決定する予定である。運営は一般社団法人の「新エネルギー導入促進協議会」が担当する。

ALT 図1 「再生可能エネルギー熱利用加速化支援」の補助金対象

 この補助金制度は民間企業と非営利の団体・法人の2種類に内容が分けられている。非営利の団体・法人には地方自治体のほか、学校・医療・宗教法人、信用金庫や共済組合、社団法人や財団法人などが含まれている。

 補助金の対象になる費用は装置やシステムの設計費、設備費、工事費、管理費の4項目がある。この総額に対して、民間企業の場合は3分の1まで、非営利団体・法人の場合は2分の1まで補助金を受けることができる。上限はいずれも1件あたり10億円である。

 熱を利用した再生可能エネルギーに関しては、7月から始まる「固定価格買取制度」にも盛り込まれている(図2)。その中で地熱(地中熱)とバイオマスは投資回収率が相対的に高い割に買取価格も高めに設定された。これから新しいエネルギー事業として取り組む企業や団体が増えていくと予想される。

ALT 図2 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」における買取金額。事業者が投資回収できる見込みをIRR(内部収益率)で評価して価格を決める。IRRが大きいほど投資回収が早く進む

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