一般社団法人太陽光発電協会は、2012年度第2四半期(7月〜9月)の太陽光発電セルとモジュールの出荷実績を明らかにした。7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まり、出荷量全体が増えたほか、売電用途に向けた出荷量が大きく伸びた。
今回の調査の対象は太陽光発電セルとモジュール。セルとは、太陽光発電パネルを構成する要素であり、複数の太陽光セルをまとめたものを太陽光発電モジュールと呼ぶ。複数の太陽光発電モジュールを直列あるいは並列で接続して並べると太陽光パネルができ上がる。
2012年第2四半期の総出荷量は78万31kWで、直前の四半期である2012年度第1四半期の総出荷量は61万3523kW。およそ27%増加している計算になる。図1のグラフを見ると、国内出荷の国内生産品、輸入品ともに大きく出荷量を伸ばしていることが分かる。一方輸出品は、総出荷量に対する比率を27.4%から19.6%に大きく落としている。国内の需要が大きく増加し、国内生産量も輸入量も大きく伸びたが、輸出に回せる分が少なくなったと考えられる。
国内出荷分の総出荷量は62万6972kW。2012年度第1四半期の44万5289kWと比較するとおよそ41%伸びている。用途別に見ると、依然として住宅向けの出荷量が圧倒的に多い。総出荷量の約71%を占めている。
しかし今回の調査ではほかの用途に向けた出荷量が急増している(図2)。特に伸びているのが発電事業用と非住宅向けだ。発電事業用は発電事業を目的としたもののうち、出力が500kW以上のもの。2012年度第1四半期と比べると出荷量がおよそ140%伸びて、7万1240kWという結果になった。メガソーラーをはじめとする大規模太陽光発電所の建設例が日本各地で急増したためだろう。
さらに大きく伸びたのが非住宅向けという区分だ。これはオフィスビルや工場、病院、役所といった建物などに設置するものだ。出荷量は2012年度第1四半期と比べて約250%増の10万8690kWだ。このうちの9万3031kWが企業向け。公的施設に向けた出荷量も増えてはいるが、ほとんどが企業向けという状態だ。発電事業用(500kW以上)ほどの大きな規模ではないが、自社施設に太陽光発電システムを設置して売電することを狙った企業が導入した結果と考えられる。
第3四半期は第2四半期以上のペースでメガソーラーの建設が始まっている。次回の調査では発電事業用がさらに大きく伸びているだろう。
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