集合住宅の屋上貸しがスタート、15年後には35MW規模を目指す自然エネルギー

旧公団住宅の管理運営や賃貸などを手掛ける独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)は、管理している集合住宅の屋上を太陽光発電事業を手掛ける業者に貸し出すことを決め、第1弾となる事業者の公募を始めた。

» 2013年01月10日 15時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 今回貸し出す集合住宅は「ニュータウン小山田桜台(東京都町田市)」。25棟の集合住宅が集まっており、太陽光発電システムを設置可能な面積は8200m2となる。2013年2月には事業者を決めて設置工事を開始して、2014年1月に稼働を始めることを目指している。

 入札の結果、屋上の賃借権を得た事業者は、賃借料をUR都市機構に支払って集合住宅の屋根に太陽光発電システムを設置する。発電した電力を全量電力会社に売電し、収入を得ることができる。

 ただし、事業者は太陽光発電システムの維持管理にも責任を持たなければならない。停電時には、賃貸住宅の居住者に太陽光発電システムが発電した電力を提供するという条件も付く(図1)。

図1 屋上を借りる発電事業者の役割を示した図。賃貸料をUR都市機構に払って屋上を借り、太陽光発電システムを設置する。停電時は太陽光発電システムからの電力を賃貸住宅の居住者に提供しなければならない。出典:UR都市機構

 UR都市機構は今後15年間、集合住宅屋上の断熱防水改修工事の時期を迎えた物件を対象に、順次屋上を貸し出していく。日照条件や構造などの条件を満たし、今後対象となっていく物件はおよそ1500棟。屋上面積合計は23万2に達する。UR都市機構は、対象物件すべての屋上に太陽光発電システムを設置すると、合計出力は約35MWになると試算している。

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