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» 2013年01月16日 09時00分 UPDATE

節電に効くシステム(2):蓄電池:用途と必要な機能を見極め、蓄電容量当たりの価格を評価 (1/2)

短期連載「節電に効くシステム」の第2回では、蓄電池について解説していく。企業で使うことを想定したものを中心に、住宅向けの製品についても解説する。

[笹田仁,スマートジャパン]

 2013年1月現在、経済産業省の「定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業費補助金」の対象となっている製品は31製品。その中から未発売のもの、生産停止のもの、一般には手に入らないものを除くと、26製品になる。

 その26製品を最大出力の値で分類すると大きく業務向けと住宅向けに分けられる。さらに、業務向け製品の中でも、無停電電源装置(UPS)としても使えるものと使えないものに分けられる。業務向け2種類と住宅向け製品について解説していく。

数人の従業員で共用することを想定

 製品の仕様を一覧表にまとめ蓄電容量と最大出力の値で分類した結果、最大出力が1500Wまでの製品は企業向け、住宅向け製品の最大出力は2000〜3000Wに達する。図1は企業向け製品の中でも充電、放電といった基本的な機能を備えたものの一覧だ。

2013_New_Year_Special_LiB_1.jpg 図1 補助金対象の蓄電池の中でも、企業向けで基本的な機能を持つ製品

 このような製品の用途としては、オフィス内に設置し、従業員6〜8人くらいで1つの蓄電池を共用するというものが典型的だろう。蓄電池を用意しておけば、停電時も業務を続けられる。蓄電池が備えるタイマーを利用すれば、単価が安い深夜電力を充電し、昼のピーク時は蓄電池からの電力を利用する「ピークシフト」が可能になる(図2)。図1に示した製品でもエリーパワーとパナソニックの製品はその機能を備えている。

2013_New_Year_Special_LiB_2.jpg 図2 蓄電池を導入したオフィスの様子。手前にあるのが蓄電池。昼のピーク時はノート・パソコンとタスクライトの電源を蓄電池から得ている。出典:大和ハウス工業

 このようなシンプルの機能しか持たない製品を選ぶときは、蓄電容量1kWh当たりの価格で選んでしまうのも1つの方法だ。計算してみると、パナソニックの蓄電容量が3.2kWhの製品が1kWh当たり50万円となり、最も安い。ただし、同時により多くの電気機器を使いたいときは最大出力が700Wでは物足りないときがあるだろう。そのようなときは最大出力で評価するしかない。

給電を途切らせることなく、電力を供給し続ける

 もう1種類の企業向け製品は、停電時に素早く蓄電池からの給電を始める製品だ。電気機器への給電が途切れないので、どうしても止められない機器への電力供給を続けさせる用途に向いている。

 図3にこの種の製品の仕様をまとめた。価格を見ると100万円程度〜250万円近くまで、大きなばらつきがある。これには最大出力が異なるという理由のほかに、2つほど理由がある。1つ目は停電時の電源切替時間だ。一般に切り替え時間が10ミリ秒以下なら、大抵の機器を止めずに、動かし続けることができる。

2013_New_Year_Special_LiB_3.jpg 図3 停電時に電力供給を止めることなく、蓄電池からの電力供給を始める製品

 ところが、図3には切替時間が10ミリ秒以上のものもある。例えばナユタの製品は切り替えに20ミリ秒かかる。因幡電機産業の製品は30ミリ秒かかる。ナユタは自社検証でサーバーと接続して電源を切り替えてみたが、サーバーが止まることはなかったとしている。とはいえ、このような製品を選ぶときは実際に試してからにしたいものだ。

 もう1つは、停電時の電気機器を止めずに動かす(バックアップ)の機能しか持たないものがあるからだ。図3の中では、GSユアサ、エナックス、ナユタの製品がバックアップ機能しか持っていない。停電時の備えだけを狙うのなら、以上の3社の製品を選ぶのがよいだろう。

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