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» 2013年03月08日 17時00分 UPDATE

キーワード解説:送配電ネットワークに電気設備を接続する「連系」

企業や家庭で太陽光発電システムを導入する場合に、電力会社のネットワークに「連系」することが欠かせない。発電した電力を電力会社に買い取ってもらうためである。さらに電力会社同士も「連系線」でつながっていて、相互に電力を融通することが可能になっている。

[石田雅也,スマートジャパン]

 「連系」という文字を見ると、誤字ではないかと思うのが普通の感覚だろう。通常は「連携」か「連係」のどちらかを使う。ところが電力の世界は特殊で、「連系」は正しい用語だ。電力会社の送配電ネットワークを「系統」と呼び(これも妙な表現だが)、系統につなぐことを「連系」の2文字で表現したものと考えられる。

 連系は電力の世界では極めて重要である。特に最近は企業や家庭で太陽光発電システムを導入するケースが増えたため、発電設備を連系させることが頻繁に発生するようになった。

 連系のパターンは大きく分けて2通りある。1つは企業や家庭の発電設備を電力会社の送配電ネットワークに接続する場合だ(図1)。発電設備から送り出す電圧の大きさによって「低圧」、「高圧」、「特別高圧」のいずれかで電力会社と受給契約を結ぶことになる。

renkei.jpg 図1 電力会社の送配電ネットワーク(地内系統)に対する「連系」と「地域間連系線」。出典:資源エネルギー庁

 ただし契約の前に電力会社と詳細を確認するための「連系協議」を求められる。送配電ネットワークの状況によっては、連携協議の後に接続を拒否されることも珍しくない。再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、電力会社が明確な理由を提示すれば接続を拒否できることになっている。

 企業向けに電力を販売する新電力などの電気事業者の場合も同様だ。自社の発電設備を電力会社の送配電ネットワークに連系することによって、顧客に対して電力を供給することが可能になる。このケースを「託送」と呼んでいて、電力会社に対して送配電ネットワークの利用料(託送料金)を支払う必要がある。

 2つ目の連系パターンは、電力会社の送配電ネットワーク同士を接続する場合である。地域によって電力の過不足が生じた時に、電力会社のあいだで電力を融通するために利用する。電力会社の送配電ネットワークを接続するための設備が「地域間連系線」だ。沖縄電力を除く9つの電力会社は必ず1つ以上の電力会社と地域間連系線で結ばれている(図2)。

 北海道と九州は地理的な制約から1つの電力会社としかつながっていない。電力が不足する事態になった時のバックアップ体制が脆弱で、特に北海道は東北との間の連系線の容量が60万kWと小さいことが問題である。

zenkoku_renkei.jpg 図2 地域間連系線の送電容量(2012年4月時点)。出典:電力システム改革専門委員会

 これから電力市場の自由化が進んでいくと、発電事業者と小売事業者の増加が予想され、連系がますます重要になってくる。地域を越えて電力を売買することも求められるようになり、地域間連系線の増強が国全体の大きな課題になっている。

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