老人ホームにV2Hで電力、常駐する電気自動車のタクシーを活用スマートホーム

介護付きの有料老人ホーム事業を展開するLIXILが福岡市で、タクシー会社と協定を結んで電気自動車から施設への電力供給を可能にする。日産の電気自動車リーフを使ったタクシーを常駐させて、災害時でも介護機器などに電力を供給できる体制を構築する試みだ。

» 2013年03月13日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 LIXIL(リクシル)は福岡市内に介護付き有料老人ホームを2棟のほか、高齢者向けのマンションを1棟運営している。この3か所の施設に地元のタクシー会社が所有する電気自動車のタクシーを常駐させて、「V2H(Vehicle to Home)」による施設への電力供給を実現する計画だ。

図1 「リーフ」と「EVパワーステーション」によるV2H。出典:ニチコン

 利用する電気自動車は日産の「リーフ」で、各施設にはニチコン製の「EVパワーステーション」を設置する。EVパワーステーションはリーフに搭載されているリチウムイオン蓄電池から家庭で使える100Vの電力を供給するための装置である(図1)。世界で初めてV2Hを実現した。

 リーフから施設へ電力を供給するには、EVパワーステーションのコネクタをリーフの急速充電ポートに接続する。施設内では分電盤を通して各種の電気機器に電力を送ることができる。

 LIXILは災害時に停電が発生した場合でも、このV2Hの仕組みを使って介護機器などに安定して電力を供給することを目指す(図2)。電気自動車のタクシーは入居者が利用する場合などを除いて施設の敷地内に常駐させることにしている。

図2 V2Hを利用した災害時の電力供給イメージ。出典:LIXIL

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