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» 2013年04月03日 11時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:長寿命で大容量のリチウムイオン蓄電池、日立マクセルが開発

企業や家庭の節電対策として蓄電池のニーズが高まっている。特に寿命の長い蓄電池が必要だ。日立マクセルは10年以上の寿命を確保しながら、蓄電性能も高いリチウムイオン蓄電池を開発した。2015年に製品化する計画だ。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 BEMS/HEMS(ビル/住宅向けエネルギー管理システム)の特徴は、太陽光などから作り出した電力と、ビルや住宅で消費する電力のバランスをとって、ピークカットや省電力を実現できる点にある。電力会社から購入する総電力を少なくできるメリットがある。

 BEMS/HEMSが十分に機能するためには、ある程度の量の蓄電池が必要になる。当初は戸建て住宅単位で蓄電池が普及し、次第に系統安定化用の大型蓄電池が広がっていくと予想されている。このような市場が広がっていくためには、寿命が長くて容量の大きな蓄電池が欠かせない。

 特に寿命が大切である。数年で買い換える携帯型機器とは異なり、ビルや住宅に据え付けて長期間使うことで投資効果が大きくなるからだ。蓄電池の花形といえばリチウムイオン蓄電池。容量が大きく、小型化にも向く。しかし長寿命と大容量を兼ね備えた製品がなかなか登場してこなかった。

 日立マクセルは寿命が約10年と長く、同時に大容量化が可能なリチウムイオン蓄電池のセル(単位電池)を開発した。2015年を目標に製品化する計画だ。

 新型の電池セルは、5000回の充放電後でも劣化が少なく、当初の約70%に相当する200Wh/Lの容量を確保できる(図1)。5000回の充放電とは、1日1回で換算すると、約13.7年に相当する。従来品でも5000回の充放電は可能だが、蓄電容量は半分以下にまで低下してしまう。

yh20130403HM_cycle_590px.png 図1 10年の需要を確保した蓄電池の性能。1日1回、37Whの電力を使用した場合、寿命10年を維持できる。出典:日立マクセル
yh20130403HM_cell_121px.png 図2 日立マクセルのリチウムイオン蓄電池(従来品)。出典:日立マクセル

 新型電池の特徴は寿命の長さだけではない。小さくても大容量にできる。つまり高密度化が可能だ。同社がこれまで製品化したラミネート型(シート型)のリチウムイオン蓄電池(図2)と比較して、電池セルの重量を40%軽量化でき、同じ体積の場合、1.6倍の電力を蓄電できるという。同社によれば電池セルの目標値は、重量エネルギー密度が180Wh/kg、体積エネルギー密度が300Wh/L程度である。

 市販のリチウムイオン二次電池にはこれ以上のエネルギー密度をもつものもある。今回の新電池は10年以上の寿命と高いエネルギー密度を兼ね備えた点が新しい。

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