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» 2013年05月07日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:メガソーラーを自作できるのか、1億9800万円の「キット」が登場

メガソーラーは全てオーダーメイド、建設費用は応相談。このような現状が変わる可能性がでてきた。メガソーラーに必要な部材を全て集めたキットに価格を付けて販売する動きだ。どのようなメリットがあるのだろうか。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 国内ではメガソーラーの計画、建設に勢いがある。再生可能エネルギーの比率が高まり、電力の地産地消に役立つのはもちろんだ。加えて、利益を生み出しにくい遊休地を収入源に変える、打ち出の小槌としての魅力がある。

 年間発電量を精度良く試算できれば、固定価格買取制度(FIT)によって、20年間の収入を見積もることはたやすい。あとは、初期投資額と運用費用をどの程度に抑えるかという設計、企画の勝負になる。

 メガソーラーを計画する法人や組合が苦労する点の1つは、例え建設地が決まったとしても、導入する部材の選定や技術検討に時間がかかること、さらに部材の導入コストの落としどころがはっきりしないことだ。安価な部材を寄せ集めた場合、発電量が低減しないか、20年間にわたって発電所を維持できるのか。逆に信頼を求めて商社やゼネコンに設計、建設を依頼した場合、初期投資額が膨らみすぎるのではないか。これまで、メガソーラーに要する費用は明確ではなく、あいまいな相場観が広がっていた。規模が大きく、案件ごとの設備の構成が異なることなどが理由だ。

 こうした中、メガソーラーに一律の価格を設定し、部材の内容を固定してキット販売するという新しい動きが現れた。メガソーラーの正札販売ともいえるだろう。

 「みんなで作ろう! メガソーラーキット」の価格は1億9800万円(税別、配送費別)。内容は、出力250kWの多結晶シリコン太陽電池モジュール4500枚と、3段5列支柱埋設式架台300セット。この他、500kWのパワーコンディショナー2台や接続箱20面、集電箱4面、エンクロージャーとキュービクルが1基ずつ、ケーブル類一式、発電量遠隔監視装置「みえるーぷ」1つも含まれる(図1)。太陽電池モジュールの合計出力は最大1.125MW、パワーコンディショナーの出力は0.99MWである*1)

*1) 主任技術者不選任承認申請の要件が出力1000kW(1MW)以下であるため、0.99MWに抑えている。

yh20130507Looop_kit_590px.jpg 図1 みんなで作ろう! メガソーラーキットの内容。出典:Looop

 同キットを2013年5月7日から販売するのは太陽光発電システム専業のLooopだ。同社はこれまでも太陽光発電システムを販売しているが、住宅の屋根置き用は扱っていない。いわゆるメガソーラーとも異なる。地面設置型で中小出力の発電所を狙う。

 同社製品の最大の特徴は、太陽電池モジュールを支える架台を鋼管で支持する構造だ*2)。コンクリートの打ち込みを伴わないため、施工しやすい。自作にも向く。農地との組み合わせも可能だ。

*2) 鋼管を地下1.5mまで打ち込むことで風圧に耐える構造とした。

 同社は出力12kWの「MY発電所キット」と呼ばれる小規模システムを販売している。今回のみんなで作ろう! メガソーラーキットは、パワーコンディショナーなどを除けば、このMY発電所キットを多数接続したこととほぼ同等だ。例えば、太陽電池モジュールは、出力12kWのMY発電所に採用した自社ブランド製品と同じであり、架台の設置には鋼管を利用する。

 今回のキットを利用したとしても、土地の形状や面積(1万5000m2〜)に応じたメガソーラーの設計は欠かせない。加えて、太陽電池モジュールを配置する工事も必要だ。どちらもユーザーが自ら取り組むことができ、依頼先も自由に選択可能だ。設計から、系統との連系手続き、施工まで全てをLooopに依頼した場合の費用は3000万円から、だという。

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