プリンスホテルが遊休地をメガソーラーで生かす、日南・伊豆・札幌に各1MW自然エネルギー(1/2 ページ)

西武グループは2013年2月に太陽光発電事業に参入している。鉄道部門が先行していたものの、プリンスホテルも次々とメガソーラーの建設工事に着工している。

» 2013年09月19日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 西武グループは「新たなビジネスモデルの育成」と「保有資産の有効活用」をグループ全体で実現しようとしている。その1つの鍵が2013年2月に参入した太陽光発電事業だ(図1)。

図1 西武グループが建設中、または着工直前のメガソーラー。青丸は鉄道部門、赤丸はプリンスホテルである

 都市交通・沿線事業部門(鉄道部門)が先行しており、2013年6月には西武鉄道が埼玉県日高市で着工した。西武池袋線の東飯能駅と高麗駅間に位置する武蔵丘車両検修場の屋根(約3万1000m2)に約4900枚の太陽電池モジュールを設置し、出力1.2MWのメガソーラーとする(図2)。

 この他、2013年8月には近江鉄道が滋賀県高島市で太陽光発電所の工事に着手している。

図2 武蔵丘車両検修場と太陽電池モジュール。出典:西武ホールディングス

日南、伊豆、札幌で着手

 プリンスホテルは所有地を利用したメガソーラー計画をまず3カ所で進める。2013年7月に宮崎県日南市で最初のメガソーラーに着工(図3)。約2万m2の遊休地に太陽電池モジュールを約4900枚設置、出力1.2MW(年間予想発電量約140万kWh)を計画する。全量を固定価格買取制度(FIT)で売電し、年間約5880万円の売電収入を見込む。

図3 宮崎県日南市のメガソーラーの完成予想図。出典:西武ホールディングス

 2013年9月には新たに2カ所の予定を公開した。静岡県伊豆の国市と札幌市南区にプリンスホテルが合計約7億7000万円を投じて建設する。いずれもNTTファシリティーズに設計・調達・建設(EPC)を発注した。完成後の運営・管理は自社で行う。

 2013年9月に着工したのは「プリンスエナジーエコファーム伊豆」(図4)。長岡温泉にある旧伊豆ホテルの跡地である。このうち、約3万1100m2を利用して約4160枚の太陽電池モジュールを設置し、出力1.02MWのメガソーラーを立ち上げる。年間予想発電量は約112万kWh。FITを利用して全量を売電し、年間約4460万円の売電収入を見込む。

図4 プリンスエナジーエコファーム伊豆の完成予想図。出典:プリンスホテル

 もう1カ所ではスキー場の跡地をメガソーラーとして利用する。

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