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» 2013年10月31日 14時50分 UPDATE

エネルギー管理:ローソンが「雪と太陽のコンビニ」、欲しい答は電気代半額

環境配慮店を毎年新設し、実際の省エネ効果が高かった設備を既存店舗に展開する。ローソンの手法だ。秋田県に新設する店舗では氷雪熱と太陽熱の利用を開始、効果を確認する。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20131031Lawson_map_250px.jpg 図1 秋田県由利本荘市と新店舗の位置

 「店舗全体の電気使用量を2010年比で約50%削減できると考えている」(ローソン)。2013年11月に開店する「ローソン由利本荘山本店」(秋田県由利本荘市山本)で実現するという。

 同社は1年に1度、最新設備を導入した環境配慮型店舗を新設し、いわば実証実験の形で効果を見ている。省エネ効果が高かった設備を既存店舗に広げていくことが目的だ。「今回の店舗に対する設備投資額は同面積の通常店舗の約2倍だ。その代わり、これまでの環境配慮型店舗の中でも最も電気使用量の削減率が高くなる」(同社)。

 秋田県の店舗では、12の技術を取り入れており、そのうちの2つ、「雪貯蔵空調連携システム」と「太陽熱利用暖房システム」はコンビニ業界では初の取り組みだと主張する。東京大学生産技術研究所の野城研究室、馬郡研究室と共同で取り組んでおり、2つのシステムに必要な設備は既存の取引先に依頼した特注品を使用する。

 新店舗は由利本荘市の中心部から約15km南に位置しており、由利高原鉄道鳥海山ろく線沿いの立地だ。ロードサイド店であり、西滝沢駅にも近い。「降雪が期待できることはもちろんだが、今回の省エネルギー設備はある程度の店舗面積が必要だ。このため、開店時期が合う由利本荘市に設備を導入した」(ローソン)。駐車場を含めたローソン由利本荘山本店の敷地面積は2858m2、店舗部分が250m2、売り場の面積は約165m2だ。

雪貯蔵庫を設けた

 雪貯蔵空調連携システムは2つの部分からなる。まず、冬季に貯蔵した雪を利用し、雪解け水を熱交換器との間で循環させる。次に、熱交換器を通じて店内の冷房を作動させる。関連記事で紹介した最新の仕組みだ。

 「降雪シーズンの終盤に外部の企業に依頼して面積33.3m2の雪貯蔵庫に3mの高さまで雪を入れる。100m3の雪を使って、2014年の夏季の冷房をどの程度まかなうことができるかを調べていく」(ローソン)。

 太陽熱利用暖房システムは冬季の省エネに役立つ設備。「店舗の背面、冷蔵ケースの外側のちょうど雪貯蔵庫に面する壁面を使う。ここは面積のある二重ガラス窓になっており、2枚のガラスの間にヒートパイプを入れる。この熱を店舗の床に通じることで暖房をまかなう」(同社)。

 設備の設置状況を図2に示した。図2にふった番号(赤丸)は図3の設備一覧の番号に対応する。

yh20131031Lawson_shop_590px.jpg 図2 新店舗と設置した設備。出典:ローソン

削減効果が大きいのは二酸化炭素利用

 「新店舗で最も電気料金削減に役立つ技術は、(図3の11番に挙げた)冷蔵ケースのCO2冷媒利用だ。同技術は既に85店舗に導入済みだ」(ローソン)。この他に特徴的なのが地中熱と太陽光の利用である。太陽光発電システムの出力は20kW。太陽光利用に関しては試行錯誤を重ねて効果を高めようとしている。「2012年に開店した環境配慮型店舗(神奈川県海老名市)では太陽電池で得た熱を、水パイプを使って店内の天井パネルに通していた。今回は天井パネルは利用していない」(同社)。

 比較的分かりにくいのが、12番に挙がっている人工知能導入によるエネルギー監視だろう。「同設備は今回の店舗で10店舗目の導入となる。例えば外気温を測定して空調温度を自動設定するといった使い方ができる設備だ」(同社)。

yh20131031Lawson_list_534px.jpg 図3 新店舗に導入した12の技術。出典:ローソン

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