ニュース
» 2014年02月10日 19時00分 UPDATE

法制度・規制:なぜか落ち込む住宅向け太陽光発電、新築はよいのだが (1/2)

住宅向けの太陽光発電が低調だ。平均設置容量は伸び、平均システム価格は下がっている。ここまではよい。ところが、既築住宅を中心に設置件数が前年比で減っている。このような傾向は2014年4月以降、より顕著になるだろう。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 住宅向けの太陽光発電が低調だ。2013年10〜12月の補助金申込受付件数(受付件数)は7万65件。これは、前年同四半期の8万4119件と比べて16.7%減っている。

 この数値は太陽光発電協会(JPEA)の一部門である太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)が発表したもの。経済産業省の補助金(住宅用太陽光発電補助金)について四半期ごとに公開したデータによる。同補助金は住宅向けの設置件数を間接的ながら最も正確に把握できる数値だと考えられている(関連記事)。

 今回J-PECが公開したのは、2013年10〜12月(四半期)の受付件数と、2013年4〜9月の同交付決定件数だ。関連して平均設置容量と平均システム価格も分かる。

既築住宅に課題あり

 図1に2009年から2013年まで、四半期ごとの受付件数を示した。縦軸が件数を示す。濃い青が2012年の数字、橙色が2013年の数字だ。1〜3月の数字が高いのは補助金の締め切りが毎年3月末だからだ。しかし、4〜6月や7〜9月、今回発表された10〜12月はいずれも2012年の実績に対して落ち込みが著しい。

yh20140210JPEC_cases_590px.jpg 図1 補助金申込受付件数の推移 出典:太陽光発電普及拡大センターの発表に基づいて編集部が作成

 太陽光発電普及拡大センターは、受付件数の内訳も示している。新築住宅と既築住宅だ。このうち新築住宅の数値(3万661件)を見ると、前年同四半期に対して落ち込みは3%にすぎない(図2)。10〜12月以外の四半期はいずれも伸びている。従って、原因は既築住宅向けの落ち込みにある。

 既築住宅の数字はこうだ。1〜3月は前年同四半期比で4.6%減にとどまっていたが、4〜6月は42.4%減、7〜10月は25.5%減、今回の10〜12月は24.9%減である。減少傾向に歯止めがかっていない。

yh20140210JPEC_cases_newbuilt_590px.jpg 図2 新築住宅の受付件数の推移 出典:太陽光発電普及拡大センターの発表に基づいて編集部が作成

 既築住宅向けの落ち込みを別の角度から見たのが図3だ。図3は受付件数に占める新築住宅の割合を示したもの。2013年はいずれの四半期も新築住宅の割合が過去最高になっている。10〜12月は43.8%だ。

yh20140210JPEC_shares_newbuilt_590px.jpg 図3 受付件数に占める新築住宅の比率 出典:太陽光発電普及拡大センターの発表に基づいて編集部が作成

 図3のような傾向が現れた理由の1つは、ベースとなる新築住宅の着工戸数にある。国土交通省が発表した2013年の新設住宅着工件数は、前年比11.0%増の98万25戸であり、ここ10年で最も高い*1)

*1) 2013年12月まで16カ月連続しており、12月は前年同期比で18.0%増加した。

 前回10%以上の値を示したのは1997年の11.8%である。消費税率が3%から5%に引き上げられた年だ。2014年4月以降は着工戸数が8%引き上げによる駆け込み需要の反動で減るだろう。既築住宅の件数が増えないまま、新築住宅が減れば、住宅向けの太陽光発電に与える影響は大きい。

 なお、経済産業省の補助金は2014年3月末をもって廃止の見込みであるため、2014年4月以降の実績を2009〜2013年の数字と比較することはできなくなる(関連記事)。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.