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» 2014年02月28日 07時00分 UPDATE

スマートシティ:街全体で「ネット・ゼロ・エネルギー」に、道路に沿って太陽光発電所も建設

消費する量と同等のエネルギーを創り出す「ネット・ゼロ・エネルギー」の取り組みが全国に広がってきた。三重県の桑名市では新たに開発する住宅街に出力100kWの太陽光発電所と64戸のスマートハウスを建設して、「ネット・ゼロ・エネルギー・タウン」に向けたプロジェクトが始まる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 桑名市が推進する「先進的都市型スマート住宅供給事業」の1つとして、大和ハウス工業が2015年7月のオープンを目指して「SMA×ECO TOWN陽だまりの丘」を建設する。1万6000平方メートルの土地に64戸のスマートハウスと、道路に沿った南側の斜面に太陽光発電所を設置して、街全体でエネルギーの生産量を拡大する計画だ(図1)。

daiwahouse1_sj.jpg 図1 「SMA×ECO TOWN陽だまりの丘」の完成イメージ。出典:大和ハウス工業

 太陽光発電所の出力は100kWで、年間に約10万kWhの電力を創り出す。2013年度の買取価格(36円/kWh)を適用できれば、年間の売電収入は360万円、買取期間の20年で7200万円になる。この売電収入は住宅のメンテナンスやエネルギーの見える化などの費用に割り当てる。

 住宅の中にHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を装備して、家庭単位と街全体のエネルギー利用状況を画面で確認できるようになる(図2)。各家庭のエネルギー使用実績をもとに、省エネ貢献度を算出してポイントを付与する。このポイントは住宅のメンテナンス費に還元することができる。

daiwahouse2_sj.jpg 図2 エネルギー管理システムの画面例。出典:大和ハウス工業

 HEMSを中核に各種の省エネ設備と技術を取り入れて、ネット・ゼロ・エネルギー・タウンの実現を促進していく。すべての住戸に高効率給湯器(エコキュート)か燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)のどちらかを標準で装備するほか、リチウムイオン蓄電池と電気自動車の充電用コンセントも全戸に設置する徹底ぶりだ。

 さらに居住者が共用できる超小型の2人乗り電気自動車を導入して、地域内の移動手段として利用効果を検証することにしている。住宅街の一角に設置する「モビリティステーション」では屋根の太陽光パネルで発電した電力を蓄電池に貯めて、電気自動車に供給することができる(図3)。災害時には非常用の電源にもなる。

daiwahouse5_sj.jpg 図3 「超小型電動モビリティステーション」のイメージと三重県内で走行する電気自動車。出典:大和ハウス工業

 大和ハウス工業は2014年3月に桑名市から土地を譲り受け、8月をめどに工事を開始する。約1年後の2015年7月には住民の入居が始まる予定だ。街全体でネット・ゼロ・エネルギーをどこまで実現できるか、オープン後の利用実績が注目される。

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