世界の再生可能エネルギー投資額は21兆円、日本は80%も増えて第3位自然エネルギー(1/2 ページ)

2013年に再生可能エネルギーの開発に投入された金額は全世界で2140億ドル(約21兆円)にのぼった。前年比では14%の減少だが、最大の要因は太陽光発電システムの価格が低下したことで、導入量は増加している。国別では前年から80%も投資額を増やした日本が第3位に入った。

» 2014年04月10日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 UNEP(United Nations Environment Programme、国連環境計画)とBloomberg New Energy Financeがまとめた報告書で明らかになった。再生可能エネルギーに対する世界全体の投資額は2年連続で減少したものの、2000億ドル(20兆円)を超える高いレベルの投資が依然として続いている(図1)。

 投資額が減少したのは「Asset finance」と呼ぶ発電設備を担保にした資金調達によるもので、太陽光発電システムの急激な価格低下が要因になっている。実際に太陽光発電システムの導入量は2012年の31GW(ギガワット=100万kW)から2013年には39GWへ26%も増えている。

図1 世界の再生可能エネルギー投資額(単位:10億ドル、大規模な水力発電を除く)。出典:UNEP、Bloomberg New Energy Finance

 国別では中国がトップで、第2位の米国を200億ドル以上も引き離している(図2)。ただし中国・米国ともに前年からは投資額を減らした。これに対して日本は80%も投資額が増えて、上位10カ国の中では最高の伸び率を示している。2013年の投資額は286億ドルに達して、第2位の米国に迫る勢いだ。

 日本の投資額のうち8割は「SDC(Small Distributed Capacity)」に分類される出力1MW(メガワット)未満の発電設備が占めている。日本は他国と比べてSDCに対する投資額が圧倒的に大きいが、今後はメガソーラーの投資案件が増えてSDC以外の伸びが予想される。

図2 上位10カ国の2013年の投資額と前年比(単位:10億ドル、企業と国の研究開発費を除く)。出典:UNEP、Bloomberg New Energy Finance
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