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» 2014年05月07日 11時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:1万本以上のリチウムイオン蓄電池で、太陽光発電による電力融通を可能に

日本でも最先端のエネルギー管理システムを構築する「柏の葉スマートシティ」では、大容量の蓄電池システムを導入して太陽光発電の電力を最大限に活用する。1万本を超えるリチウムイオン蓄電池が充電と放電を繰り返しながら、地域内のビルで使用する電力のピークを抑える仕組みだ。

[石田雅也,スマートジャパン]

特集記事:「太陽光発電と電力融通で年間1000万円を削減、平日はオフィス、休日は商業施設へ」

kashiwanoha_battery1_sj.jpg 図1 「柏の葉スマートシティ」に設置したリチウムイオン蓄電池システム。出典:日立製作所、日立化成

 千葉県の柏市で開発中の「柏の葉スマートシティ」で5月中旬から、最先端のエネルギー管理システムが動き始める。地域内のビルや住宅で使用するエネルギーの状況を監視しながら、太陽光発電を有効に活用して電力のピークを抑制することができる。この仕組みを実現するために、国内で最大級の蓄電池システムを導入した(図1)。

 柏の葉スマートシティの中心部にある2カ所のビルには、すでに太陽光発電システムが設置されている。太陽光で発電した電力は平日の昼間には2カ所のうちのオフィスビルへ供給する一方、休日の昼間には電力の需要が増える商業施設のビルへ融通する。余った電力は蓄電池に充電しておき、必要な時に放電すれば無駄がなくなる。こうした電力の流れを「AEMS」と呼ぶエネルギー管理システムで制御する(図2)。

kashiwanoha0_sj.jpg 図2 太陽光発電と蓄電池を活用した電力融通の仕組み。出典:三井不動産

 2つのビルの太陽光発電システムを合わせると、最大で720kWの電力を供給することができる。一般の住宅に搭載する太陽光発電システム(4kW)の180倍に相当する規模になる。このほかに電力会社が供給する通常の電力、さらにはビル間で融通する電力が加わる。災害時に電力会社からの供給が止まった場合でも、太陽光発電と蓄電池の両方から地域内のビルや住宅に電力を供給することが可能になる。

 柏の葉スマートシティに導入した蓄電池システムは容量が3800kWhもある大規模なものだ。一般家庭が1日に使用する電力量(10kWh)で380世帯分になり、電気自動車の「日産リーフ」に搭載しているバッテリー(24kWh)の160台分に匹敵する。

 システムを構成するリチウムイオン蓄電池の本数は合計すると1万3824本にのぼる(図3)。すべての蓄電池の状態はシステムで常に監視して、異常があればすぐに感知できるようになっている。

kashiwanoha_battery2_sj.jpg 図3 リチウムイオン蓄電池モジュール(左、6本内蔵)とシステム構成例(右、23モジュール)。出典:日立化成、新神戸電機

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